2011 Fiscal Year Annual Research Report
半導体排ガスの乾式固定化・再資源化処理技術の開発研究
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22560813
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
安井 晋示 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (30371561)
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Keywords | 排ガス処理 / フッ素 / 再資源化 / 乾式 / 気固反応 / 蛍石 / 環境技術 / 化学工学 |
Research Abstract |
半導体製造装置からの排出ガス(N_2,SiH_4,SiF_4,NF_3,HF)からシリコンとフッ素を乾式で分離回収して固定化し、再資源化する技術開発を行い、以下の成果を得た。 (1)乾式固定化炉の設計 半導体排ガスを水蒸気とともに電気分解炉で加熱分解した後の排ガスには,HF,SiF_4,SiO_2が含まれる。この内,SiO_2の微粉をテフロンフィルタで回収し,残りのHF,SiF_4を炭酸カルシウムと炭酸水素ナトリウムの2段の固体吸収材によって何収するシステムを提案した。この気固反応では,テフロンフィルタ通過後の排ガスを再加熱しないため,150℃程度の低温で反応させる必要があり,各固体吸収材による低温での気固反応特性を調べた。炭酸カルシウムによるHF破過特性の結果では,気固反応速度を未反応核反応モデルで評価できることを明らかにし,反応速度評価で重要なガス胸膜拡散係数と生成物層内拡散係数を導出した。また,この成果と合わせ,炭酸水素ナトリウムによるSiF_4吸収特性の結果より,反応管の設計技術を開発した。 (2)破過検知技術の開発 吸収塔で生成されるフッ化物を高純度で回収するためには,反応終了時(破過時)を検知する必要がある。この方法として,吸収材の重量を反応管も含めて連続的に計測して,検知する方法を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた低温での気固反応における反応メカニズムの解明については,完全には実施できていないが,その一方で,高純度のフッ化物を回収するための反応管の設計技術を確立することで,実用機の設計を行うことが可能となり,実証試験に繋がる成果を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
反応メカニズムの解明については,引き続き実施していくとともに,最終年度となる24年度には,これまでに開発した設計技術をベースに実証試験装置を試作し,連続運転性能の確認による耐久性評価,および破過検知技術の確認試験を行う。なお,腐食対策など実用化に向けた課題が生じた場合には,実証機反応管の材料選定などを考慮して試験研究を進めていく。
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