2010 Fiscal Year Annual Research Report
環境対策とコストが調和した加工油剤循環システムのデザイン実践
Project/Area Number |
22560814
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
近藤 康雄 山形大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50304241)
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Keywords | 水溶性加工油剤 / リサイクル / アミンフリー / 粉末活性炭層ろ過 / 防錆性・耐腐敗性 / 長期安定性 / 廃液処理性 |
Research Abstract |
水溶性加工液の廃液処理性に最も影響を与えると考えられるアミン系加工物に焦点を絞り、アミン系化合物を含む汎用エマルション加工液およびアミン系化合物を含まないアミンフリー加工液の長期安定性および廃液処理性を実験的に比較した。安定性試験では、切り屑や潤滑油が混入する実際のクーラントタンクを模擬したクーラント循環システムを用いて、加工液の耐腐敗性および防錆性の経時変化について検討を行った。廃液処理性試験では、筆者らが開発した粉末活性炭層ろ過法による処理を試み、回収水の水質および廃液処理における物質収支の比較検討を行った。 その結果、以下のことを明らかとした。 (1)汎用エマルション加工液とアミンフリー加工液の間で、耐腐敗性には明らかな差は認められないが、アミンフリー加工液では長期間使用により防錆性の低下が見られる。 (2)粉末活性炭層ろ過法によって汎用エマルション加工液を処理した場合、窒素系加工物、アンモニウム系化合物および燐系化合物が回収水中に残留しやすい。 (3)粉末活性炭層ろ過法は、アミン系化合物および燐系化合物を含まないアミンフリー加工液の処理に優れた効果を発揮する。 (4)汎用エマルション加工液の処理では、アミンフリー加工液に比べ、界面活性剤添加量が約20%大きくなり、粉末活性炭の消費量は約5倍となる。 (5)アミンフリー加工液は廃液処理性に優れた加工液といえるが、水溶性加工油剤に起因する環境負荷を低減するには、長寿命化と廃液処理性を両立させることが不可欠であり、今後は、長期使用における防錆性の維持等、技術的課題を克服した加工液の開発が望まれる。
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Research Products
(6 results)