Research Abstract |
本研究は,家電リサイクル工場において,被覆電線を粉砕した銅と被覆塩ビの粉砕混合物から,風力選別機を用いて,銅を回収する際の回収率を,従来の高々80%程度から95%と大幅に向上させる"高効率風力選別機"のモデル実験装置を試作することを目的とする. 本研究では,風力選別において,両粉砕物粒子が選別室内壁に,同時に衝突する際に生じるノイズ的な衝突音を,AE(アコースティックエミッション)センサを用いて測定し,衝突音の周波数成分の時間変化を解析し,両粒子の混合比をオンラインモニタリングする.さらに,この混合比をもとに,銅の回収率を制御するフィードバック制御系を構成し,次世代の高効率風力選別システム研究の基礎を築く. 平成22年度は,直径6mmの二種類の疑似試料(比重1.4g/mm^3,1.6g/mm^3)を,AEセンサが取り付けられたセンサーヘッドである直径100mmの真鍮製円板に落下させた際の衝突音を,サンプル周期0.25μsと言う高速のA/D変換ボードを用いて測定した.その際,真鍮製円板の厚さを5mm~25mmと変化させ,また,真鍮製円板の中心鉛直上の試料落下位置を0mm~30mmと変化させ,衝突音波形への影響を調べた.また,PCで設定した時間毎に,選別結果の時間的な推移を観測するために,ACサーボを用いて,選別室の上・下に取り付けられた回収箱内の底を開閉し,選別試料を小分けする"選別粒子小分け装置"を作製した.
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