2011 Fiscal Year Annual Research Report
高速イオン閉じ込めに対する磁場のトロイダルリップル成分の寄与に関する研究
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22560819
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡田 浩之 京都大学, エネルギー理工学研究所, 准教授 (50169116)
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Keywords | プラズマ・核融合 / 高速粒子 / トロイダルリップル / ヘリオトロンJ / ICRF |
Research Abstract |
ヘリオトロンJ装置で水素マイノリティ、重水素マジョリティのECHターゲットプラズマに対しICRF加熱を行った。高速粒子エネルギースペクトルは中性粒子エネルギー分析装置(CX-NPA)によって測定した。低衝突領域での高エネルギー粒子測定を行うため線平均電子密度としては0.5E19m-3以下、入射パワー0.3MW程度で、閉じ込め磁場の3種類のバンピネスに対し、高速粒子の生成・閉じ込め挙動を調べる。ここでいうバンピネスの値はB04/B00(B04がバンピー成分、B00が平均磁場成分)で表して、規格化平均半径0.67でそれぞれ0.15(高)、0.06(中)、0.01(低)である。 これまでに磁気軸中心をとおる視線で、CX-NPAを用い高速イオンのバンピネス依存性を調べ、高バンピネスで高速粒子生成が最も効率的であることなどが分かっていた。しかし、最近の研究では中バンピネスにおいて、サイクロトロン共鳴層の位置を変化させると、少数イオンモード加熱であるにもかかわらず高速イオンの生成とバルクイオンの加熱効率に対して、依存性が異なっており、磁気軸コードの実験値が平均的な高速イオンの振舞いを示しているかどうかが問題であった。このため3種類のバンピネスに対しCX-NPAの水平角を変え様々なポロイダル断面での高速イオンのエネルギースペクトルの視線に対する依存性を調べた。結果として共鳴層が磁気軸を通る場合には、規格化小半径0.4より内側で高速イオンのエネルギースペクトルにはほとんど変化がないことから、共鳴面を磁気軸を通る位置にした場合の高速イオンの生成・閉じ込めに関してはこれまでの結果がプラズマ中心部全体の傾向を示していることが分かった。また、中バンピネスの場合の強磁場側に共鳴層を置いた場合には、モンテカルロ計算から高速イオンがトロイダル角に対して一様に分布していないことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた高速イオンのポロイダル断面でのエネルギースペクトルの分布データ取得がほぼ完了し、バンピネスに対する依存性も明らかになった。また、モンテカルロ計算も進んでいる。ハードウェアについても一系統ではあるが同軸切換器が完成し、周波数変更の際の調整も簡便になると期待される。ただ、3次元形状での吸収計算の方はまだ結果を得ていない。今年度も継続してコード整備に努める。
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Strategy for Future Research Activity |
パワーの吸収計算を今年度をめどに行いたい。これによって現在の分布を仮定してモンテカルロ計算からさらに解析が進むと考えている。また、閉じ込め磁場方向を反転させピッチ角の90度に対する反対方向の観測も行いたいと考えている。今季からさらに高エネルギーイオンを調べるため、中性粒子ビーム加熱を利用し30keVを超える高エネルギー粒子に対する研究も行って行きたい。
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