2012 Fiscal Year Annual Research Report
低エネルギー高濃度水素打込みによるタングステン格子欠陥形成メカニズムの解明
Project/Area Number |
22560821
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
加藤 太治 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (60370136)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 炉内機器材料 / 格子欠陥 / 水素吸蔵 / 第一原理計算 / タングステン |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、ITERや将来の核融合発電実証炉において、ダイバータ(炉内機器)材料として注目されるタングステンの水素吸蔵特性に大きな影響を与える格子欠陥挙動を明らかにすることである。特に、ダイバータで使用した場合に想定されるような高濃度の水素原子を含んだタングステンの格子欠陥による水素捕獲・熱放出特性の解明を目的としている。 水素吸蔵特性に大きな影響を与える、低エネルギー水素イオン照射による原子空孔集合体(ボイド、あるいは水素バブル)形成の全体像を明らかにするためには、その初期段階である単原子空孔と水素原子の結合体の各種素過程のエネルギーや速度定数を評価する必要がある。そこで昨年度から引き続き、次の項目について研究を行った。1)水素プラズマ照射による照射部の温度上昇による多量の熱空孔の発生と水素原子と結合したクラスタの成長過程を表す熱力学モデル、2)水素プラズマ照射によって生じた水素原子と原子空孔の結合体の安定性と水素原子クラスタの熱分解過程、3)タングステン中のボイド生成のメカニズムの検討と、生成に必要な温度・密度領域の評価など。 特に、本年度は、単原子空孔に複数の水素原子が捕獲されて形成された水素原子クラスタの熱分解過程の解明に取り組み、水素原子クラスタの熱分解過程における多体相関効果を示唆する新しい知見を得ることができた。また、関連する成果として、タングステン以外の炉内機器材料についても、イオン照射による格子欠陥形成と誘起蛍光スペクトルの分析や、第一原理計算による水素吸蔵特性の研究を行い新しい知見が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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