2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560827
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
玉川 洋一 福井大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40236732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 正明 高エネルギー加速器研究機構, 素核研, 名誉教授 (40013388)
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Keywords | γ線 / コンプトン散乱 / 原子力施設 / 廃炉 |
Research Abstract |
平成23年度の研究成果は次の通り。 1.4π型検出器の検出器部分の固定化装置(架台)の製作 検出器システムの移動を容易にするため、4つのシンチレータ検出器を固定する架台を製作した。 2.FADCによるデータ収集系の整備 これまで、検出器からの信号処理についてはNIMモジュールを用いてきたが、4つの検出器からの信号の組み合わせ等が複雑になる。そのための回路が物質量として大きくなるため、それを低減するため500MHzFADC回路を用いるべくソフトウェアーの整備を行った。4チャンネルでの信号取得と波形処理等について開発したプログラムが適正に動作していることを確かめた。 3.標準線源を用いた実験 Cs-137,Co-60標準線源を用いた複数の実験を行った。γ線エネルギーの異なる複数の線源を配置した実験では、γ線エネルギーの識別と位置の認識が同時に行なえ、弁別が可能であることを確認した。この場合もエネルギー分解能は3°以内を確保できた。また、コンスタントフラクションディスクリを用いることで、イベント時間の差を利用した検出器の同定が容易となり、角度分解能と検出効率の向上とに貢献することが確認された。 4.固定架台を用いた実験 製作した固定架台は、コンプトンγ線飛行経路の関係上、架台の一部に改良が必要であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
期首に設定した計画を概ね満足するペースで研究が進められた。特に、FADCプログラム開発について順調に進められたため、大きな遅滞が生ずることはなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、省スペースで効率的なデータ収集システムを確立するため、FADCのプログラミングを主に進めていく。TCAモジュールのFADCシステムから将来的にはμTCAモジュールに移行し、より小型のシステム開発を実現できるように検討を重ねる。 検出器架台を改良し、システム全体としての動作試験を行う。 コンプトンイベントを利用した本手法とコリメーターを利用したガンマカメラの性能について比較する。
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