2011 Fiscal Year Annual Research Report
燃料デブリの運動挙動に関するメゾスケール解析手法の開発
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22560828
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
守田 幸路 九州大学, 工学研究院, 准教授 (40311849)
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Keywords | 高速増殖炉 / 過酷事故 / 固気液三相流 / 粒子法 / 個別要素法 / セルフレベリング |
Research Abstract |
本研究では、高速増殖炉における炉心損傷事故において、事故後長期の崩壊熱除宏過程を支配する要因として重要な燃料デブリの運動挙動に着目し、その基本特性を評価するための数値解析コードを粒子法に基づくメゾスケール解析手法として開発する。さらに、「燃料デブリベッドのセルフレベリング挙動」を支配する素現象に着目した基礎的な検証実験を実施し、開発手法の基本的妥当性を検証するとともに、実機安全評価への反映方法について検討する。 平成23年度は、有限体積粒子法を基本とした固気液三相流を扱う基本解析コードに固体粒子間の相互作用モデルとして広く用いられるDEM(個別要素法)を導入し、固気液三相流解析の拡張解析コードとして整備するとともに、既往実験の解析によって拡張解析コードの物理モデル及び計算アルゴリズムについてその基本機能を確認した。 また、検証実験については、液相(シリコンオイル)中の模擬デブリ層(ガラス粒子層;粒子直径0.8mm)内における単一気泡(直径約20mm)の運動挙動を可視化する実験を実施し、セルフレベリングを支配するメゾスケール挙動に対する拡張解析コードの基本的な妥当性を検証するための実験データ(気泡速度、気泡形状)を取得した。 さらに、拡張解析コードを用いた実験解析を実施し、その基本機能について確認した。その結果、固液相間の相互作用に起因して流体運動に支配的となる固液二相流の実効粘性を解析に考慮することで、実験で測定された固気液三相流中における単一気泡の運動挙動の特性を適切に再現することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
検証実験については、当初の研究計画とは異なる手法、条件で実施したが、開発コードの検証データを取得する目的に沿った実験データを取得することができた。解析コード開発及び実験に基づく検証解析は、おおむね当初の研究計画通りに実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題で進める解析コードの開発と検証の過程で、固体デブリ層内でのメゾスケールでの基本的な気泡挙動に対する検証性の向上が必要であることが分かった。このため、検証実験については、当初の研究計画とは異なり、固体粒子層内での単一気泡運動の基本挙動に着目した手法、条件で実施することで対応することとした。今後は、この検証実験に基づいて、開発する解析コードの最適化・高度化を進め、燃料デブリベッドのセルフレベリング特性を支配するメゾスケールでの多相流挙動を明らかにする。
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Research Products
(4 results)