2011 Fiscal Year Annual Research Report
中性領域・分散系溶液でのアクチノイドイオンの原子価変化機構の解明と制御
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22560832
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
北辻 章浩 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力基礎工学研究部門, 研究副主幹 (30354898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
音部 治幹 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力基礎工学研究部門, 研究副主幹 (20469802)
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Keywords | ネプツニウム / プルトニウム / ウラン / フロー電解 / X線回折 |
Research Abstract |
アクチノイドの酸化状態を同定し、自在に制御することを目的として、これまでに取得したフロー電解法によるウラン、ネプツニウム及びプルトニウムの酸化還元反応データを基に、各種酸化状態のイオンの電解調整法を考案した。 電解に用いる電極材に白金黒付グラッシーカーボンを用い、適切な電位設定をすることにより、ネどのような酸化状態のプツニウムイオンからも、3価から6価の原子価状態に原子価を調整できる電位を明らかにした。同法によりどのような原子価にも自在に、かつ迅速に電解調整可能となった。 同電極を用いるとプルトニウム5価イオンの還元の過電圧も小さくなり、プルトニウムは6価から3価へ一度に還元されるため、5価および4価の調整はできない。これに対し、通常のグラッシーカーボン電極を用いた場合にはプルトニウム6価イオンは、5価へ一電子還元される電位領域があるため、5価イオンを調整可能である。 ウラン6価あるいは4価の酸化還元は電極材にはほとんど影響を受けず、いずれの電極を用いた場合でも、4価あるいは6価の調整を迅速に行うことができる。 以上のことから、アクチノイドイオンの還元については、白金黒付グラッシーカーボン電極あるいはグラッシーカーボン電極を適宜使い分けることにより、各アクチノイドイオンの酸化状態を自在に制御できる見通しを得た。一方、酸化側に関しては、プルトニウム4価の酸化過電圧が非常に大きいため、現状では電解によるプルトニウム5価および6価の調整は困難である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
東日本大震災により実験施設及び設備が被災し、損傷を受けた。当該施設は核燃料取扱施設であるため、施設等を復旧し使用を再開するためには施設検査を受検する必要があり、手続きに時間を要している。本研究は「g」オーダーのプルトニウムを使用する計画であり、必要な測定装置等を有する代替施設がないため遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
施設の復旧後に実験を再開するために必要な実験準備を進めている。本年8月に見込まれている施設復旧後直ちに実験を再開し、必要なデータを効率的に取得できるように詳細な実験計画を作成している。
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