2012 Fiscal Year Annual Research Report
TOF-ERDAによる軽元素分析のための反跳断面積の測定
Project/Area Number |
22560835
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Research Institution | The Wakasa Wan Energy Research Center |
Principal Investigator |
安田 啓介 (財)若狭湾エネルギー研究センター, 研究開発部, 主任研究員 (00359241)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | イオンビーム分析 / 軽元素 / TOF-ERDA / 反跳断面積 |
Research Abstract |
ヘリウムビームを用いた飛行時間測定による弾性反跳粒子検出(TOF-ERDA)法による軽元素分析では、ヘリウムを軽元素に衝突させた際の断面積データが必要となる。本研究ではヘリウムビームが窒素等の軽元素に入射した際の反跳断面積の測定を行う。平成24年度は23年度に引き続き窒素の断面積データ取得を行った。実験は京都大学工学研究科の放射実験室で行った。タンデム加速器で加速された4Heビームを表面に金をコーティングした窒化シリコン薄膜(厚さ:50nm)に照射し、散乱されたイオンをシリコン半導体検出器で検出した。2台の検出器を用いて散乱角が83.6°、および165°で測定を行った。散乱角83.6°は14Nの反跳角がおよそ40°に相当する。ビームエネルギーを2~4.5MeVの間でおよそ30keVずつ変化させてデータを取得した。これによって、平成23年度のデータと合わせて入射ヘリウムエネルギーが2~5.5MeVでの断面積の測定が完了した。散乱角165°の断面積測定値は過去の実験データとよく一致した。これは本測定において断面積が正しく測定されていることを示している。得られた断面積データとSigmaCalcコードによる理論計算との比較を行った。その結果、散乱角165°について理論計算は実験値をよく再現することを確認した。一方、散乱角83.6°(反跳角40°)では、入射エネルギーが4MeV以下では理論計算は実験値を再現するものの、4MeV以上では実験値を再現できないことがわかった。これは、入射エネルギーが4MeV以上のヘリウムビームを用いたTOF-ERDAによる窒素定量測定では、断面積データとして実験値を用いる必要があることを示している。一方、入射エネルギーが4MeV以下ではSigmaCalcによる計算値を用いて定量測定を行うことが可能である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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