2010 Fiscal Year Annual Research Report
多孔体マトリックス型超高性能化学蓄熱材およびこれを用いる化学ヒートポンプの開発
Project/Area Number |
22560840
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡辺 藤雄 愛知工業大学, 総合技術研究所, 教授 (70109312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
架谷 昌信 愛知工業大学, 工学部, 教授 (50021788)
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Keywords | 化学蓄熱 / 化単ヒートポンプ / 化学蓄熱材 / 多孔体 / CaO / MgO / CaSO_4 |
Research Abstract |
固体卑金属化合物系化学蓄熱・化学ヒートポンプ(CHP)の開発に関して、新規の「高反応性と形状長期耐久性を付与した多孔体担持型超高性能化学蓄熱材の創製」を提案し、本年度は、(1)MgO系、(2)CaSO_4系、(3)CaO系化学蓄熱材に対してそれぞれシリカ多孔体担持型、樹脂多孔体担持型もしくはこれを不活性雰囲気中で炭化した炭素質多孔体担持型の蓄熱材を試作し、真空熱重量装置による、繰返しの水和・脱水反応性および形状耐久性を指標とする蓄熱材の合理的製造法を検討した。 (1) MgO系シリカ多孔体担持型蓄熱材:Mg(NO_3)_2スラリー含浸、700℃焼成により、最大MgO担持割合30.0wt%の試料を得た。本試料は20回繰返し蓄熱・放熱によっても発熱の最大温度上昇が維持できること、MgOは空孔表面に分散担持されておりその形状は十分に維持できることを確認した。 (2) CaSO_4系樹脂多孔体担持型蓄熱材:混練法により最大CaSO_4担持割合55.6wt%の試料を得た。CaSO_4単体は35回の繰返し蓄熱・放熱により発熱の最大温度上昇が急激に低下した。これに対して本試料は40回繰返し後も発熱の最大温度上昇が維持できること、CaSO_4は多孔体空孔表面に薄層担持および形状は十分に維持できることを確認した。 (3) CaO系炭素質多孔体担持型蓄熱材:混練、脱澱粉、炭化プロセスを経て、最大重量比CaO/C=2.Oの試料を得た。CaOは多孔体空孔表面に薄層担持されていることを確認した。CaO単体は3回の繰返し蓄熱・放熱により発熱の最大温度上昇が初期の1/3程度に急激に低下した。これに対して本試料では15回の繰返し後も発熱の最大温度上昇を維持すること、CaOは多孔体空孔表面に薄層担持および形状は十分に維持できることを確認した。 上記の結果は、多孔体担持により繰返しによる単体の凝集が回避され、反応が維持できたことを示している。このことより提案の多孔体担持型蓄熱材がCHP用として機能することを示唆した。
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Research Products
(1 results)