2011 Fiscal Year Annual Research Report
多孔体マトリックス型超高性能化学蓄熱材およびこれを用いる化学ヒートポンプの開発
Project/Area Number |
22560840
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡辺 藤雄 愛知工業大学, 総合技術研究所, 教授 (70109312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
架谷 昌信 愛知工業大学, 工学部, 教授 (50021788)
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Keywords | 化学蓄熱 / 化学ヒートポンプ / 化学蓄熱材 / 多孔体 / CaO |
Research Abstract |
固体卑金属化合物系化学蓄熱・化学ヒートポンプ(CHP)の開発に関して、新規の「高反応性と形状長期耐久性を付与した多孔体担持型超高性能化学蓄熱材の創製」を提案し、前年度に評価した3種の多孔体担持型化学蓄熱材の中のCaO系炭素質多孔体担持型蓄熱材に焦点を絞り、(1)CaO担持量の異なる試料を試作し、この形状耐久性評価および水和・脱水反応速度を指標とする反応性の評価を行った。 (1)形状耐久性評価:CaO担持量を40~85wt%の試料について、その充填層による水和反応によるバク試料体積変化の観察を行った。その結果、CaO担持量の増大に伴って、水和反応による体積膨張が顕著になることが観察された。一方、この傾向は担持量53wt%以下ではほとんど観察されなかった。このことより、本多孔体では最大CaO担持量を53wt%以下とする必要があることを認めた。 (2)CaO担持量56wt%試料による水和・脱水反応速度:CHPを模擬した蒸発器/凝縮器と連結した構造の試作真空上皿天秤式熱重量測定装置による、CaO担持量(53~65wt%)、粒子径(250~750μm)を変化させた場合の水和・脱水反応速度の測定を行った。蒸発器/凝縮器温度を18℃(一定)、上皿天秤部試料温度を水和反応では18℃とした。脱水反応では、水和反応終了後上皿天秤部試料温度450℃に昇温した。 担持量を変化させた場合、水和反応では、CaO担持量の増大に伴って反応平衡到達時間が長くなり、反応率60%到達時間はCaO担持量53wt%、65wt%でそれぞれ18minおよび28min程度となること、脱水反応では担持量に係わらず脱水反応完結時間は20min程度となることが分かった。 粒子径を変化させた場合、CaO担持量53wt%試料による水和反応では、粒子径の増大に伴って水和反応は遅くなり、反応率60%到達時間は250μm、750μmでそれぞれ15min、23min程度となること、脱水反応完結時間は担持量に係わらず8min程度となることが分かった。これより、水和反応では供給水蒸気濃度が低いことによる水蒸気の粒子内移動抵抗の存在が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
反応速度の測定のためにCHPを模擬した真空上皿天秤式熱重量測定装置を試作した。この重量測定では重量表示が減圧による影響を受ける。この影響を最小にするための改良に多くの時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
真空上皿天秤式熱重量測定装置による反応速度測定が問題なく行われる。したがって、本研究は当初の研究計画に沿って推進される。
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Research Products
(1 results)