2012 Fiscal Year Annual Research Report
多孔体マトリックス型超高性能化学蓄熱材およびこれを用いる化学ヒートポンプの開発
Project/Area Number |
22560840
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡辺 藤雄 愛知工業大学, 付置研究所, 教授 (70109312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
架谷 昌信 愛知工業大学, 工学部, 教授 (50021788)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | 化学蓄熱 / 化学ヒートポンプ / 水酸化カルシウム / 硫酸カルシウム / 中低温熱エネルギー / 熱駆動型ヒートポンプ / 蓄熱器 / 水和反応 |
Research Abstract |
卑金属化合物/水系化学反応を用いる化学蓄熱・化学ヒートポンプの開発の最大課題は、蓄熱(脱水反応)/放熱(水和反応)の繰返しによる反応速度の低下と体積変化による伝熱抵抗の増大の2課題に集約される。本研究ではこの2課題を同時解決するために、あらたな多孔体担持化学蓄熱材を提案し、これまで水酸化カルシウム、半水石膏を対象とするカーボン多孔体水酸化カルシウム担持化学蓄熱材および樹脂多孔体担持半水石膏担持化学蓄熱材を試作し、化学蓄熱・化学ヒートポンプを模擬したクローズド式反応器による繰返し水和・脱水反応の反応性維持のおよび形状長期安定性の評価を行い、この蓄熱材の有効性を確認した。そこで本年度は、カーボン多孔体水酸化カルシウム担持化学蓄熱材を対象とし、クローズド式上皿天秤型熱重量分析装置による水和・脱水の反応速度評価、ならびにこの蓄熱材使用の充填層型蓄熱器による水和・脱水の熱移動特性評価の実験的検討を行った。その結果、以下の研究成果を得た。 1)水酸化カルシウム同一担持割合(56wt%)の試料においては、粒子径300~750μmの範囲の水和・脱水反応速度はほぼ同一であった。これは、粒子内空孔の蒸気移動抵抗が極めて小さいことによる。 2)同一粒子径(500μm)のもとで水酸化カルシウムの担持割合 (53wt%~69wt%)を変化させた試料の水和・脱水反応速度は担持割合によって異なり、担持割合62wt%で最大となり、この速度が粒子の空孔容積の増大、空孔表面の水酸化カルシウム層厚さの減少とともに増大することを認めた。 3)充填層による熱出力は水蒸気透過抵抗の大きさに影響され、粒子径500μmでは層高50mm以下で最大となることが示された。 以上より、カーボン多孔体水酸化カルシウム担持化学蓄熱材の合理的製造基準およびこれを用いる充填蓄熱器の設計指針が示された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)