2011 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロバブル燃料によるディーゼル機関の燃費と有害排気ガスの低減に関する研究
Project/Area Number |
22560842
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Research Institution | Kurume National College of Technology |
Principal Investigator |
中武 靖仁 久留米工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (30280481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 孝司 久留米工業大学, 工学部, 教授 (80131895)
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Keywords | エネルギー節約・効率利用 / 熱機関 / 低炭素社会 / マイクロバブル燃料 / ディーゼル機関 / バイオディーゼル燃料 / 大気汚染物質 / エジェクタ |
Research Abstract |
本研究は、ディーゼル機関の燃費と有害排気ガスの低減可能な方法として、既存のディーゼル機関への後付けが可能、また、燃料を超高圧化するリスクや費用の軽減、さらに高粘度でしかも高温腐食劣化などで超高圧燃料噴射法の使用が困難とされるバイオディーゼル燃料への応用などを期待される、マイクロバブル混入燃料を提案し、そのマイクロバブル混入燃料のディーゼル機関性能へ及ぼす影響の解明ならびにマイクロバブル混入装置の実用性を検討することを目的としている。 具体的な内容は、空気をマイクロ・ナノバブル(超微細気泡)として燃料に混入させることで、物理的効果として、粘度、表面張力を低下させディーゼル噴霧の微粒化を促進し、さらに化学的効果として溶存酸素量・イオン量・セタン価を上昇させ、燃焼促進を図る方法である。 今年度はまず始めに、マイクロバブル燃料の物理・化学的特性の解明として、実機関へ供給されるナノバブル軽油のナノ粒子分布計測、ならびに化学組成の変化としてGC/MS(ガス・クロマトグラフ質量)分析を行なった。結果として、ナノバブルは機関に供給される燃料中に100から200nm程度の大きさで1mL中に0.5×10^8個程度分散しており、化学組成は主鎖の炭素結合を切るほどには至ってないが末端の官能基が水素に還元される置換反応など、燃料の組成も変化していることがわかった。 次に、ナノバブル軽油の生成、特性および効果の実証として、エジェクタ式マイクロ・ナノバブル発生器を1台と2台用いた場合の溶存酸素量の測定、ならびに機関性能実験を行った。発生器を1台より2台用いナノバブルの混入量を高めた場合の方が、燃料中の溶存酸素量も増加しており、機関性能実験においては燃費の低減効果も大きく認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マイクロバブル混入燃料の物理・化学特性の解明について、おおまかな定性的な傾向、ならびに機関性能の燃費に及ぼす効果については実験的に認められているが、微細気泡の混入条件、気象条件などと気泡混入量や化学組成変化など定量的な検討が進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
マイクロバブル混入燃料の定量的な特性解明に向けて、燃料の生成条件や気象条件、ナノ粒子分布、GC/MS分析、あるいはゼータ電位計測と機関性能実験を平行して遂行し、比較実験を行う計画である。
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Research Products
(7 results)