2011 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリアの遺伝的ボトルネック形成機構の解析と疾患との関連
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22570009
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
曹 麗琴 独立行政法人理化学研究所, 動物変異動態解析技術開発チーム, 国際特別研究員 (60399475)
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Keywords | ミトコンドリア / ボトルネック / ミトコンドリア分離 / 遺伝病 / in vivo imaging |
Research Abstract |
哺乳類のミトコンドリアは、母性遺伝をすることが知られている。ミトコンドリア変異は様々な遺伝病の原因となるため、ミトコンドリア変異の世代間の伝達様式を調べることが重要である。そのため、ヘテロプラスミック(2種の異なるミトコンドリアDNAを持つ)マウス系統を用いた解析を試みた。まず、このマウス系統の複数の個体の各組織で2種のミトコンドリアゲノムの解析を行い、どちらか一方のタイプが生殖系列で選択を受けない、ということを確認した。したがって、この系統は世代間のミトコンドリアDNAの分離様式を研究するための好個の材料であることが確かめられた。さらに、初期胚でのミトコンドリアの分配を調べる目的で、ミトコンドリアを蛍光蛋白質で標識可能なトランスジェニックマウスを用いて解析を行った。 疾病状態にある細胞・組織中のミトコンドリア動態を生きたマウス個体で解析することは、病態の進行に係るミトコンドリアの関与や疾病の治療法の開発に関して新しい知見を与えるものと期待される。しかし、個体レベルの生体イメージングは脈動や拍動による画像のぶれが障害となり、ミトコンドリアのような細胞内小器官を観察するのは非常に困難であった。そこで、体内臓器を保定し、生体の動きによるぶれを低減するための安定器具を考案した。これにより、ミトコンドリアや自食胞などの細胞内小器官の動態をリアルタイムでイメージングすることが可能となり、自食胞の形成過程や異なる生理的条件におけるレポーター遺伝子発現を生きたマウス個体の肝臓、膵臓、腎臓で観察することに成功し、PLoS One誌に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウス胚での、ミトコンドリアの分配とミトコンドリア伝達のボトルネックに関する研究を計画どおり実施した。さらに、個体イメージングの問題点であった生体の脈動、拍動による画像のぶれを低減する器具を開発し、細胞内小器官の高精細画像を取得することに成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
2点に焦点を当てて研究を実施していく。ひとつは、ミトコンドリアDNAの生殖細胞における分配機構に関するものであり、もうひとつは、生きたマウス個体(正常とストレスを受けた場合)の各種臓器におけるミトコンドリア動態を観察し、環境変化に対するミトコンドリアの応答機能に関する研究を実施する。
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