2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22570010
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Research Institution | National Hospital Organization, Kyushu Cancer Center |
Principal Investigator |
織田 信弥 独立行政法人国立病院機構九州がんセンター臨床研究センター, 腫瘍病態研究部, 研究室長 (40333372)
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Keywords | 癌 / ゲノム / ゲノム不安定性 / DNA修復 |
Research Abstract |
本研究では、真核生物ゲノムで保存されてきたマイクロサテライト配列が、正常個体集団間で多様性を生む分子機序、さらには病的細胞機能下、とくに腫瘍において変化する分子機序を総合的に解明し、真核生物ゲノム編成のひとつの特徴であるショートタンデムリピートの動態とその病因論的意義を明らかにすることを目的としている。初年度のH22年度は、正常細胞機能下におけるマイクロサテライト配列変化として、種間、個体間のマイクロサテライト配列多様性について、また、病的細胞機能下におけるマイクロサテライト配列変化としては、とくに、ミスマッチ修復異常およびDNAポリメラーゼ校正機能の異常下におけるマイクロサテライト変化について、重点的に解析を行った。このような解析の中で、とくに注目されたのが、1塩基繰り返し(mononucleotide)マイクロサテライト配列の動態であった。研究代表者のグループは、1塩基繰り返しマイクロサテライトがヒト集団間で著しく多型に乏しいことを見出した。このことは、極めて多型に富む2塩基繰り返し(dinucleotide)マイクロサテライトと好対照をなしている。研究代表者のグループは、ミスマッチ修復能およびポリメラーゼ校正機能に既知の異常をもつ株化培養細胞を用いて解析を進めたところ、2つの細胞機能の働きのちがいによる、それぞれのマイクロサテライトの固有の動態が明らかになった。現在、ミスマッチ修復能およびポリメラーゼ校正機能を欠く遺伝子ノック・アウト/インマウスに由来する胎児線維芽細胞の樹立を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究に必要となる遺伝子型のノックインマウスを飼育し、胎児線維芽細胞を樹立する上で、他施設問のマウスの移管が、制度上の、あるいは経済的問題のために、進捗していない。
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Strategy for Future Research Activity |
既存のノックアウトマウス由来胎児線維芽細胞株にトランスジーンを導入するなどして、必要となる遺伝子型の細胞株を樹立する方法を試みたい。
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