2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22570020
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
遊佐 陽一 奈良女子大学, 自然科学系, 教授 (60355641)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 進化 / 性表現 / 矮雄 / 精子競争 / 甲殻類 / 深海 |
Research Abstract |
本研究の目的は,矮雄をもつミョウガガイ類を対象に,矮雄の適応的意義を解明することである。このために,平成24年度は,ミョウガガイ類を含むフジツボ類の性表現の多様性,連続性,可塑性について理論的・実証的研究を進め,当該分野の現時点での研究の到達点と今後の課題についてとりまとめた。 1.ミョウガガイ類を含むフジツボ類の性表現および矮雄の進化についての理論的研究をおこなった。まず,従来別分野であった性配分理論と生活史戦略理論とを結びつけて,性表現の多様性を説明する新たなモデルを作成した(文献4)。次に,従来の性表現理論とは異なり,性表現が環境で決まる場合の新たな理論を構築した(文献6)。 2.フジツボ類ソリエラエボシならびにヒメエボシにおいて,自然状態で他個体上に着生する個体の出現率や性表現,および実験処理による性表現の可塑性について研究をおこなった。ソリエラエボシでは他個体上に着生する個体は自然状態では存在しないにも関わらず,実験的に他個体上に着生させた個体は対照個体に比べて雄機能を増強し,矮雄的になった(文献8)。ヒメエボシでは他個体上に着生する個体が見られるが,実験的に他個体上に着生させても雄機能は増強されなかった(Yamaguchi et al. submitted)。 3.これらの結果,および現時点で知られているフジツボ類の性表現に関する理論的・実証的研究をまとめたレビューをおこなった。その結果,フジツボ類の性表現や矮雄の出現は繁殖集団の大きさと深く関係していること,性表現は従来考えられていたよりはるかに連続的かつ可塑的であること,フジツボ類はこのような進化の研究に適していること,などが明らかになった(文献8)。 4.その他,フジツボ類の生態や矮雄を持つ動物の発生,性表現の可塑性に関する研究をおこなった(文献1-3,5,7)。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] The first finding of the neustonic barnacle Lepas pectinata and nudibranch Fiona pinnata in the deep sea.2013
Author(s)
Wada, Y., Miura, Y., Fujiwara, Y., Yamamoto, T., Okoshi, K., Yusa, Y.
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Journal Title
Cahiers de Biologie Marine
Volume: in press
Pages: in press
Peer Reviewed
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