2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22570028
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Research Institution | Miyagi Gakuin Women's University |
Principal Investigator |
田中 一裕 宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (00316415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡 康彦 芦屋大学, 教育学部, 教授 (80240539)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 羽化リズム / 高温耐性 / 地上脱出成功率 / 地温 / 地表温度 / 捕食者 / 全明 / 全暗 |
Research Abstract |
前年度にひきつづき、羽化直後のタマネギバエ成虫の高温耐性の解析をおこなった。今年度は、野外条件下で評価をおこなった。羽化直後の成虫を宮城学院女子大学構内に設置した簡易砂場の地下1cmにおき、それらの地上脱出成功率と砂温の関係をみた。地上脱出成功率は砂温の影響を強くうけた。砂温が42℃を超えた場合、地上に脱出できた個体は皆無であった。砂温が38℃以下の場合、すべての個体が5分以内に地上に脱出した。これらの結果は、日中の高い砂温が新成虫の地上脱出の障害となっていることを示唆している。調査時の天候の関係で、予備実験時と同様、地下1cmの砂温が38℃から42℃の範囲についてはデータを得ることができなかった。この温度範囲における羽化データの収集は、今後の課題である。 前年度にひきつづき、北海道農業研究センターの実験圃場を借用し、地表温度やさまざまな深さの地温測定をおこなった。その分析はまだ途中であるが、ハエの地上脱出成功率に影響する地下1㎝の温度が日中はしばしば42℃を超えることが再度確認された。また、羽化直後の成虫をアリやクモに近くに置き、これら捕食者の行動を観察した。羽化成虫が近くにいる場合に限定されるものの、アリもクモも少なからず羽化成虫を捕食することが確認された。とはいえ、自然条件下における彼らによる捕食率を推定するにはさらなる観察が必要である。 羽化直後の成虫を効率よく集めるための飼育条件を検討するなかで、背景の光の有無が温度周期下での羽化時刻に少なからず影響することを見出した。サイドプロジェクトとして、背景の光条件が温度周期下での羽化時刻におよぼす影響を検討した。その結果、全明下では、全暗下にくらべて羽化が数時間遅れておきること、温度周期と羽化リズムのカップリングが弱まることがあきらかになった。その結果はEntomological Science誌に報告した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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