2012 Fiscal Year Annual Research Report
地球温暖化が沿岸性魚類の繁殖に及ぼす影響―データの集積と予測モデルの確立
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22570032
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Research Institution | Natural History Museum and Institute, Chiba |
Principal Investigator |
川瀬 裕司 千葉県立中央博物館, その他部局等, 主任上席研究員 (10270620)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | 魚類 / 繁殖行動 / 産卵 / 海水温上昇 / 生物多様性 / データベース / モニタリング |
Research Abstract |
海水温の上昇が沿岸性魚類の繁殖に及ぼす影響を解明するため,過去から現在までの繁殖記録を集約して各地における各魚種の繁殖期の変化を明らかにして,将来の繁殖期の変化を予測することを目的としている.平成24年度は,千葉県勝浦・館山,東京都八丈島,静岡県富戸,鹿児島県屋久島でSCUBA潜水により指標種を中心とした繁殖状況のモニタリングを行った.また,前年度にデータベース化した八丈島の魚類繁殖記録を解析した. 1994年から2010年までの八丈島の魚類繁殖記録(2682件)から,20科134種の魚類の繁殖が確認された.これは同島で記録されている種数の19%に相当した.最も多く記録されたのはベラ科(13属34種)で,スズメダイ科(7属23種),ハゼ科(8属10種),ヘビギンポ科(4属10種),テンジクダイ科(3属9種)がそれに次いだ. 八丈島におけるクマノミの繁殖期を年別に比較すると,繁殖開始時期は4月下旬から5月上旬で,年によって2週間前後のばらつきが見られた.繁殖開始時の水温は18.4~21.8℃で,一定水温以上で繁殖を開始する温度依存は見られなかった.また,様々な水温や日を基準にした積算温度の有効性について検討したが,明確な説明には至らなかった.繁殖の終了は8月中旬から9月下旬で,年により1カ月以上のばらつきが見られた.繁殖終了時の水温は24.0~28.2℃で,水温自体は繁殖開始時より遙かに高く,その時の水温条件だけで繁殖の終了が決まるのではないことが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)