2010 Fiscal Year Annual Research Report
植物の組織分化における細胞壁構築のための分子輸送メカニズムの解明
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22570033
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| Research Institution | Tohoku University |
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Principal Investigator |
横山 隆亮 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 講師 (90302083)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西谷 和彦 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (60164555)
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| Keywords | 細胞壁 / イネ / キシログルカン / 師部 / 細胞間輸送 |
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| Research Abstract |
植物の各組織の形質を決定する最も重要な因子の1つは、組織を構成する個々の細胞の周囲に構築される細胞壁であると考えられる。複雑な高次構造物である細胞壁を正確に組み立てるためには、その材料や道具となる分子が、適切なタイミングで正確なポイントに輸送されなければならない。本研究においては、主に単子葉植物であるイネを材料に、組織分化に重要な役割を担う細胞壁の構築過程における分子輸送という点に着目した研究を進めている。今年度は、間接蛍光抗体法や免疫電顕法を用いて、イネの師部細胞の細胞壁にフコシル化キシログルカンが特異的に蓄積していることを確認し、その局在部位を詳細に解析した。またフコシル化キシルログルカンのフコース転移反応を担うと考えられるフコシル基転移酵素遺伝子を特定するとともに、本酵素が、師部細胞ではなく、伴細胞に局在することを免疫法によって示した。少なくとも成熟した師部細胞においてフコシル化キシログルカンは合成されておらず、またフコシル基転移酵素が伴細胞にのみ存在していることから、フコシル化キシログルカンは伴細胞でフコース基が付加された後、細胞外輸送によって師部細胞の細胞壁へと運ばれているものであることが示された。さらに今年度は、伴細胞に局在するフコシル基転移酵素が、師部細胞の細胞壁のフコシル化キシログルカンのフコースを転移しているものであることを直接証明するために、フコシル基転移酵素遺伝子の発現を抑制したRNAi形質転換体を作成した。またキシログルカンそのものの合成を抑制し、師部細胞の細胞壁におけるフコシル化キシログルカンの役割を解明するために、キシロシル基転移酵素遺伝子の発現を抑制したRNAi形質転換体を作成した。
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