2012 Fiscal Year Annual Research Report
植物の組織分化における細胞壁構築のための分子輸送メカニズムの解明
Project/Area Number |
22570033
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
横山 隆亮 東北大学, 生命科学研究科, 講師 (90302083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西谷 和彦 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (60164555)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 細胞壁 / イネ / キシログルカン / 師管 / 細胞間輸送 |
Research Abstract |
複雑かつ動的な高次構造物である細胞壁の構築過程では、材料や道具となる多糖やタンパク質が適切なタイミングで正確なポイントに輸送されなければならない。本研究においては、イネ科植物を材料に、組織分化に重要な役割を担う細胞壁の構築過程における細胞間輸送という点に着目した研究を進めてきた。昨年度までの研究で、イネの師部細胞の細胞壁に局在するフコシル化キシログルカンが伴細胞から輸送されていることを示唆する結果を得ていた。本年度は、アルカリ耐性HPLCを用いてキシログルカン量の測定を試み、イネのほとんどの組織にはキシログルカンが存在しないことを明らかにするとともに、免疫組織学的手法によってフコシル化キシログルカンが師部細胞の細胞壁において特異的に蓄積していることを確認した。またフコシル化キシログルカンの細胞間輸送経路を明らかにするために、免疫電子顕微鏡法を用いた詳細な観察を行った結果、フコシル化キシログルカンはフコシル基転移酵素などの合成酵素が局在する伴細胞にはほとんど蓄積していなく、フコシル化キシログルカンは合成後に速やかに師管細胞壁へと輸送されていることが示された。一方、伴細胞と師管細胞壁の間においてフコシル化キシログルカンはほとんど観察することはできず、輸送経路を特定するに至らなかった。また両結果はフコシル化キシログルカンの合成と輸送が継続的に行われているものではなく、特定の時期に一過的に行われている可能性を示すものでもあった。他の細胞壁多糖に関してイネとシロイヌナズナを材料として包括的な局在解析を行ったところ、特定の時期に特異的な蓄積を示す多糖が数多く見つかり、本研究で示された細胞間輸送システムが様々な植物種の多様な組織分化の過程で幅広く利用されている可能性を示す結果となった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] A Dof Transcription Factor, SCAP1, is essential for the development of functional stomata in Arabidopsis2013
Author(s)
Juntaro Negi, Kosuke Moriwaki, Mineko Konishi, Ryusuke Yokoyama, Toshiaki Nakano, Kensuke Kusumi, Mimi Hashimoto-Sugimoto, Julian I. Schroeder, Kazuhiko Nishitani, Shuichi Yanagisawa, Koh Iba
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Journal Title
Current Biology
Volume: 23
Pages: 479-484
DOI
Peer Reviewed
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