2010 Fiscal Year Annual Research Report
植物の伸長成長を制御する新たなジベレリン情報伝達ネットワークの解明
Project/Area Number |
22570036
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石田 さらみ 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (20282725)
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Keywords | ジベレリン / 情報伝達 / タンパク質キナーゼ / カルシウム / フィードバック制御 |
Research Abstract |
これまでの研究により、ジベレリン内生量情報伝達に関わる転写活性化因子RSGの機能制御機構の解明に成功している。その実体は負の制御因子・14-3-3タンパク質との複合体形成を介した細胞内局在制御であった。ジベレリン内生量が上昇すると、CDPK1によりRSGのS114がリン酸化され、リン酸化S114を介してRSGは14-3-3と複合体を形成し核外に輸送される結果、ジベレリン生合成酵素遺伝子の転写が抑制される。 本年度はCDPK1に着目し、CDPK1-RSG/14-3-3経路の上流を探る解析を試みた。RSGにジベレリン内生量情報を伝達するカルシウム依存性タンパク質キナーゼCDPK1はジベレリンによりリン酸化を受ける事を明らかにしている。このリン酸化の意義を探るたぬ、ジベレリンによりリン酸化されるCDPK1のアミノ酸の同定に着手した。 1)Hisタグを付加したCDPK1を過剰発現する形質転換植物から、コバルトィオンをリガンドとするMetal Affinity Chromatography (MAC)を用いて、CDPK1-His蛋白質の大量精製を試みた。MACのみで多くの共雑タンパク質が回収されるため、MAC精製画分を、さらに、Reverse Phase Chromatographyを用いて微量精製を行った。精製画分を用いて質量分析法でリン酸化アミノ酸部位の同定を試みたが、精製過程で用いている界面活性剤の影響でペプチドのピークを得る事が出来なかった。 2)CDPK1は膜結合タンパク質であるため精製に界面活性剤が必須となるが、MACで界面活性剤濃度を1/100程度にまで下げる事に成功した。現在、この精製画分を用いて質量分析を行っている。
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