2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22570038
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上口 智治 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 准教授 (20232738)
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Keywords | 発生・分化 / 幹細胞 / 分裂組織 |
Research Abstract |
bog変異体については論文投稿で示唆された追加実験を終了した。mdo変異体の解析については平成23年度に予定した、1)mdo1変異とatm,atrか変異との二重変異体の作成と表現型解析、2)DNA二重鎖切断の検出、の2点に取り組んだ。その結果、1)についてはmdo1がatm変異表現型を昂進する結果を得、両変異間の遺伝的相互作用を見いだした。2)についてはTUNEL法によってmdo1変異体では幹細胞に限らず分化した細胞においてもDNA二重鎖切断頻度が向上していることを示した。以上の結果からMDO1遺伝子がDNA障害レベルの低減を図ることでDNA障害に弱い幹細胞の維持に関わっていることを明らかにした。この研究結果は平成23年度内に論文を投稿し、掲載された。またmdo1変異に関しては上記の研究遂行中に、この遺伝子が胚発生可能な配偶子形成に不可欠であることを示唆する結果を得て、平成23年度の研究計画として当該現象の詳細な解析を予定した。この課題に対しては、胚発生以上の詳細について細胞分裂過程の経時観察や種々のマーカー遺伝子の発現解析を行うと共に、様々な組み合わせでの相互交配実験の結果から、このメカニズムがDNA障害応答の一環であることを示唆する結果を得た。この結果については平成24年度中に論文としてまとめる予定である。さらに新たに植物個体の寿命制御に関係する可能性のある新規変異体を分離した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当該研究において当初予定した課題については全て完了でき、その成果は論文として発表済み、あるいは投稿予定である。またMDO1遺伝子の解析においては当初予想もしていなかった新規かつ重要な生物学的メカニズムの発見につながり、当初の計画以上に進展したと断言できる。
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Strategy for Future Research Activity |
11.に記したように本研究課題は当初予定した計画は完了している。従って研究計画遂行中に得られた胚発生可能な配偶子形成メカニズムについてさらに追求を進め、新たな研究計画を提案できるよう研究の切り口を模索する予定である。
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