2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22570048
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
岩崎 行玄 福井県立大学, 生物資源学部, 教授 (20193732)
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Keywords | 3量体Gタンパク質 / イネ / d1 / ブラシノステロイド / 細胞数 / RNAi法 |
Research Abstract |
イネ3量体Gタンパク質は,それぞれ1種類のα(Gα)、β(Gβ)、γ(Gγ)サブユニットから構成される。現在までに、イネGα遺伝子欠損変異体d1の綾化の原因は細胞数の減少であることを明らかにした。幼苗期のWTとd1に、7つの植物ホルモンを投与したところ、d1はブラシノライド(24-epi BL)に対する応答が低下していた。本年度は、d1-1とd61-2(BR受容体変異体)との2重変異体を用いて、両シグナリングが、細胞数の制御に共通したパスウエイを利用しているか否かを検討した。葉鞘において、d1-1d61-2の組織長は相乗的に減少したが、d1-1d61-2の細胞数はd1-1と同じであった。この結果は、葉鞘の細胞数の制御に関しては、d1-1はd61-2の下流に位置することを示した。 Gβ遺伝子(RGB1)とGγ遺伝子(RGG1)の欠失変異体は未だ単離されていない。そこで、Gβの機能を推定するため、WTとd1のおのおのに、RNAi法を用いてGβ遺伝子発現抑制個体を作出し、rgb1RNAi/WT、rgb1RNAi/d1-5と名付けた。rgb1RNAi/WT、rgb1RNAi/d1-5は蟻性、ラミナジョイント部位と節の壊死、種子の小粒化、稔性低下などの異常を示した。細胞数の制御に関しては、RGB1はRGA1とは独立して、細胞数を正に制御することが示唆された。rgb1RNAi/WT and rgb1RNAi/d1-5におけるラミナジョイント部位と節の壊死は、d1-5では見られなかった新規な特性であった。野生型においてRGB1が強く発現している器官と、rgb1RNAi/WT and rgb1RNAi/d1-5において異常が認められた器官は一致した。これらの結果は、イネにおいてGβは、Gαとは独立した機能を有することを示唆した。
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