2010 Fiscal Year Annual Research Report
シロイヌナズナにおけるユビキチン様タンパク質RUB/Nedd8修飾制御機構の解明
Project/Area Number |
22570056
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
大野 豊 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (30343940)
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Keywords | オーキシン / シロイヌナズナ / COP9シグナロゾーム / RUB / Nedd8 / ユビキチンE3リガーゼ |
Research Abstract |
本研究は、植物ホルモン・オーキシンの情報伝達に関わる新規因子SMAP1遺伝子の機能について、ユビキチンと類似したRUB/Nedd8によるタンパク質修飾機構との関連に着目し、解析することを目的としている。これまでの研究からSMAP1は、標的タンパク質からの脱RUB/Nedd8化反応を行うCSN複合体と物理的に結合していることが明らかになっていた。そこで、本年度は、SMAP1がCSNのどのサブユニットと相互作用するかを調べるために、酵母ツーハイブリッド法を試みた。まず、SMAP1をGAL4DBDと連結し酵母内で発現させると、GAL4DBD-SMAP1単独で強い陽性反応がみられ、SMAP1自身に酵母内でアクティベーション活性があることが示唆された。つぎに各CSNサブユニットとGAL4DBDの融合タンパク質をそれぞれ酵母内で発現させ、GAL4AD-SMAP1との相互作用を調べた。しかし、SMAP1と明確な相互作用を示すサブユニットは検出できなかった。SMAP1自身に酵母内でアクティベーション活性があることは、酵母内でSMAP1と強く相互作用する酵母由来の因子があることが示唆され、それが、CSNサブユニットとSMAP1の相互作用を阻害していることも考えられた。 一方、SMAP1とCSNとの相互作用を遺伝学的な手法により調べるため、SMAP1遺伝子が欠失したシロイヌナズナ変異体aar1-1とCSNサブユニットに異常のある変異体とを交配し、二重変異体の作成をおこなった。その結果、CSN活性が部分的に喪失した変異体csn5a-1との二重変異体では、csn5a-1変異の胚軸が短く生長が遅いといった形質がより著しくなった。このことから、SMAP1はCSNの機能を補強するような方向で働いていることが推定された。
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