2012 Fiscal Year Annual Research Report
肝臓成熟化欠損マウスを用いた肝臓の基本単位(肝小葉)の新規構築メカニズムの解明
Project/Area Number |
22570063
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
塩尻 信義 静岡大学, 理学部, 教授 (70162568)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | C/EBPα / SOX9 / Notch2 / 胆管形態形成 / アレイ / 組織構築 / 細胞間相互作用 / 遺伝子欠失マウス |
Research Abstract |
肝臓(肝小葉)の主な機能は成熟肝細胞が担うが、他の細胞群(類洞内皮細胞、星細胞、胆管上皮細胞等)との相互作用を経て初めて、肝小葉が構築、高次の肝機能が営まれる。しかし、肝小葉構築に関わる相互作用にどんなものがあり、また各相互作用がどんな分子で担われるかは明らかではない。本研究では、肝細胞の成熟化が進まず、偽腺管構造を始めとし種々の組織異常を示すC/EBPα遺伝子欠失マウスを用いて肝臓構築のメカニズムの解明を目的に研究を行った。前年度に続き、胆管上皮細胞分化に関わるJag1/Notch2シグナルや肝特異的転写因子 (HNF4α、HNF1α、Sox9等)の、免疫組織化学法とin situ hybridization法による発現解析を野生型およびヌル型胎児肝臓において行った。C/EBPαを欠失すると、HNF4αやHNF1α陰性、Sox9、Jag1、Notch2陽性の胆管上皮様細胞が門脈周囲以外に出現し、門脈からの胆管誘導シグナルがなくとも、C/EBPαの発現抑制がおこれば胆管上皮細胞への分化が進むことが示された。また胆管上皮様細胞の出現は肝被膜下で顕著で、本来胆管が分化しない中心静脈周囲にも認められた。これらより、C/EBPαは肝芽細胞から成熟肝細胞と胆管上皮細胞に分化する際のスイッチになる転写因子と考えられる。野生型マウス胎児肝臓細胞の初代培養系に、ヌル型肝臓で高発現した増殖因子(PDGFC等)を添加しその効果をみたところ、線維化が促進された。ヌル型肝臓で低発現したものはあまり効果が認められなかった。また、肝芽細胞を除去した胎生期肝臓細胞の培養系では、血管構築が正常に進まず、肝内血管構築に肝芽細胞の存在が不可欠なことが示された。野生型マウスとヌル型マウスのキメラ解析は、目的の組み合わせのキメラ個体を作出できず、肝臓構築における相互作用の直接的証明は将来の課題として残された。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(6 results)