2012 Fiscal Year Annual Research Report
神経葉ホルモンの脳-行動制御機能の解析:広塩性両生魚と雄性胎生魚からの新しい展開
Project/Area Number |
22570065
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
坂本 竜哉 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (10294480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
御輿 真穂 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (00527997)
坂本 浩隆 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (20363971)
高橋 英也 岡山大学, 理学部, 助教 (50627635)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | 環境適応 |
Research Abstract |
広塩性のイイダコの体液調節を解析し、神経葉ホルモンに相同な頭足類のペプチド(セファロトシンとオクトプレシン)が及ぼす作用を検討した。 まず、自然海水で飼育したタコを汽水に移行した。体液浸透圧は海水中においては環境水と等張であった。汽水に移すと、1日目は汽水と同等まで下がるが、7日目には汽水より高張に調節された。尿の浸透圧は、いずれの環境でも体液と等張であった。体液Na濃度は、汽水移行後も変化せず、よく調節されていた。尿のNa濃度は常に体液のものよりも高かったが、汽水移行後は低下した。軟体動物でも尿により体液の塩濃度が調節される可能性を見出した。一方、体液のCa濃度は、常に環境水のものより高かったが、環境水のCa濃度の低下にともない減少した。尿のCa濃度は、体液のものよりも常に低いが、同様に汽水中で減少した。また、Na/K-ATPアーゼは、心臓から遠い鰓葉において、汽水移行後7日目に活性が高まった。これらの鰓においてNaを汽水から取り込んでいる可能性も示された。一方、腎臓のNa/K-ATPアーゼ活性は変化しなかった。 次いで、セファロトシンとオクトプレシンを、タコの体液中に10-6、10-8 Mになるように投与し、上記のパラメーターへの効果を検討した。オクトプレシンの投与により、1日後の体液の浸透圧とCa濃度、尿のNa濃度が低下した。体液Na濃度、尿の浸透圧とCa濃度には影響がなかった。一方、セファロトシン投与は、これらのいずれにも効果が見られなかった。また、オクトプレシンは、Na/K-ATPアーゼ活性には、鰓でも腎臓でも効果がなかった。なお、これらの効果には雌雄差は見られなかった。 以上の結果より、イイダコは、尿からの塩の排出と鰓における塩の輸送を制御することによって、体液を調節している可能性が示された。また、オクトプレシンはその体液調節に関わっていることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Cloning of two members of the calcitonin-family receptors from stingray, Dasyatis akajei: Possible physiological roles of the calcitonin family in osmoregulation2012
Author(s)
N. Suzuki, T. Sekiguchi, H. Satake, K. Kato, Y. Nishiyama, H. Takahashi, J.A. Danks, T.J. Martin, A. Hattori, M. Nakano, M. Kakikawa, S. Yamada, M. Ogoshi, S. Hyodo, Y. Yamaguchi, V.S. Chowdhury, K. Hayakawa, H. Funahashi, T. Sakamoto, Y. Sasayama
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Journal Title
Gene
Volume: 499
Pages: 326-331
Peer Reviewed
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[Journal Article] Prostaglandin e(2) increases both osteoblastic and osteoclastic activity in the scales and participates in calcium metabolism in goldfish2012
Author(s)
K. Omori, S. Wada, Y. Maruyama, A. Hattori, K. Kitamura, Y. Sato, M. Nara, H. Funahashi, K. Yachiguchi, K. Hayakawa, M. Endo, R. Kusakari, S. Yano, A.K. Srivastav, T. Kusui, S. Ejiri, W. Chen, Y. Tabuchi, Y. Furusawa, T. Kondo, Y. Sasayama, T. Nishiuchi, M. Nakano, T. Sakamoto, N. Suzuki
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Journal Title
Zool Sci
Volume: 29
Pages: 499-504
DOI
Peer Reviewed
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