2011 Fiscal Year Annual Research Report
マウス子宮内膜におけるインスリン様成長因子結合タンパク質3の生理機能の解析
Project/Area Number |
22570066
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高橋 純夫 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (90144807)
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Keywords | インスリン様成長因子結合タンパク質3 / インスリン様成長因子1 / 子宮内膜 / 発情ホルモン / マウス / カリクレイン1 / 成長因子 / 発情ホルモン受容体 |
Research Abstract |
マウス子宮内膜において,インスリン様成長因子結合タンパク質3(IGFBP3)は,インスリン様成長因子1(IGF1)を結合し,IGF1作用を抑制制御すると考えられている。本研究は,マウス子宮内膜におけるIGFBP3の生理的役割を解明することを目的とした。 1.IGF1遺伝子の発現制御機構の解析 ルシフェラーゼ遺伝子を用いるレポーター解析によりマウスIGF1遺伝子プロモーターの機能解析により最小プロモーターの候補領域を特定できたので,ゲルシフト解析により子宮細胞核タンパク質結合部域を決定した。 IGF1遺伝子発現は,エストロゲン受容体αにより促進される一方,エストロゲン受容体βは抑制作用をもつか,または発現制御には関与しないことが示唆された。 2.IGFBP3遺伝子の発現の解析マウス子宮内膜間質細胞において,IGFBP3遺伝子発現は,transforming growth factor(TGFβ)1,TGFβ2により抑制されることを明らかにした。TGFβ1,TGFβ2は,子宮内膜間質細胞のDNA合成を促進するが,これはTGFβ1,TGFβ2の直接作用とともに,IGFBP3発現抑制による間接作用に由来することが示唆された。 3.IGFBP3分解作用の解析 セリンプロテアーゼのKallikrein(Klk)1は,IGFBP3を分解するといわれている。子宮内膜においてエストロゲンによりKlk1発現は増加するので,Klk1によるIGFBP3分解が促進されると考えられる。Estradiol17b処理をうけた子宮内膜間質細胞において,Klk1発現が増加することは明らかになったが,IGFBP3の明瞭な分解促進は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
IGFBP3遺伝子の発現の解析が遅れている。これは,IGF1遺伝子のプロモーター解析が予想以上に時間がかかっているために開始ができていないことによる。同様にKlk1遺伝子の転写制御機構の解析も開始できていない。これは,培養系によるIGFBP3の明瞭な分解が検出できないことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
IGFIとIGFBP3の遺伝発現調節機構の解析を重点的に実施する。IGF1のプロモーター解析に問題はないので,IGFBP3のプロモーターの機能解析も同様な観点から解析し,エストロゲン受容体の役割について調べていく。子宮内膜細胞におけるKlk1によるIGFBP3の分解を解明していく。そのために,高感度のIGFBP3の検出系を構築していく。さらに,転写因子Runx3のノックアウトマウスでは,子宮が退化しているので,Runx3とIGF1,IGFBP3発現との関連をあらたに解析していく。
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