2012 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物の受粉・受精過程におけるエピジェネティックス
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22570068
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
田中 一朗 横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科, 教授 (60175445)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 精細胞 / 花粉 / 花粉管 / ヒストン / 雄原細胞 / 雄性配偶子 |
Research Abstract |
被子植物の雄性配偶体である花粉は、雌ずいの柱頭に受粉すると発芽し、花粉管を伸長する。この花粉管の伸長は、含有する雄性配偶子の精細胞を雌性配偶体である胚のうまで運搬することによって、重複受精に寄与する。昨年度、テッポウユリの雌ずい内を伸長中の花粉管内の雄原細胞で、エピジェネティックスに関与するAGOが特異的に発現していることを明らかにしたが、今年度は先に見出していた雄性配偶子特異的ヒストン変種を用いて以下の知見を得た。 まず、雄性配偶子特異的ヒストンの一つであるgH2Aのプロモーターをレポーター遺伝子のGFPとともにパーティクルガン法によってテッポウユリ花粉に導入し、受粉後雌ずい内を伸長中の花粉管において、二つの精細胞を可視化することに初めて成功した。これにより、雄性配偶子特異的遺伝子のプロモーター解析が可能となった。また、テッポウユリの二つの精細胞はほぼ等価であると推察されたが、一方で二つの精細胞核には明らかな二型性が認められた。精細胞核の二型性の意義は不明だが、受粉・受精過程における何らかのエピジェネティックスの可能性を示唆する。 さらに、雄性配偶子特異的ヒストン変種の機能を探るために、テッポウユリのヒストン変種遺伝子を導入した形質転換タバコをいくつか作成した。この中で、リンカーヒストンH1の変種を体細胞核で発現させることにより、明らかに機能が改変された形質転換体の作出に成功した。このことは、ヒストンを用いたエピジェネティックス制御が応用面でも可能であることを示唆する。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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