2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22570070
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松島 俊也 北海道大学, 大学院・理学院研究院, 教授 (40190459)
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Keywords | 最適採餌 / 意思決定 / 社会的知性 / 衝動性 / 大脳基底核 / 社会的採餌理論 / 労働投資 / 社会的促通 |
Research Abstract |
本研究の目的は、社会的他者との競争的状況が、選択衝動性を亢進する脳内機構を、細胞レベルで明らかにすることにある。H22年度までの行動実験によって、(1)競争採餌が「近い」餌に対する主観的価値を高め、よって「近くて小さな餌」(SS)と「遠くて大きな餌」(LL)の二者択一選択において、SSを選ぶとる頻度を著しく高める事(衝動性を亢進する事)を、報告した。他方、内側線条体および側坐核(MSt-NAc)の局所破壊は単独(非競争)条件下の選択において同様の衝動性亢進を引き起こす。よって、MSt-NAcの機能を介して、社会的状況が衝動性を制御している可能性が示唆された。 本年度は、(1)競争状況が労働投資量に及ぼす効果を吟味すると共に、(2)MSt-NAc神経核のニューロン活動に及ぼす影響を単一ニューロンレベルで解析した。その結果、(1)競争は実際の収益の侵害(利益相反)を経験することが無くとも、労働投資量を増大させること、(2)MSt-NAcニューロンの一部に、競争状況において特異的な修飾を受けるものがあること、を見出した。特に、(1-1)労働投資は移動(歩行局面)にとどまらず、啄ばみ(消費局面)にも等しく及ぶこと、(1-2)競争下の2個体は同調した移動を行うこと、を見出した。これは行動生態学における社会的採餌理論により、最も良く説明できる。他方、ニューロン活動の解析では、(2-1)餌の視覚的手掛かりの提示に対するバースト活動は比較的影響を受けていないのに対して、(2-2)実際の餌の出現直前にピーク活動をもつ遅延期バースト活動が競争状況かで抑制されること、を見出した。今後は、遅延期活動抑制のシナプス機序を明らかにすると共に、この抑制的修飾が衝動性をもたらすか否か、脳内電気刺激による検討を試みる。
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[Journal Article] Molecular function of microtubule-associated protein 2 for filial imprinting in domestic chicks (Gallus gallus domesticus).2011
Author(s)
Yamaguchi, S., Katagiri, S., Aoki, N., Iikubo E., Kitajima, T., Matsushima, T., Homma, K.-J.
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Journal Title
Neuroscience Research
Volume: 69
Pages: 32-40
Peer Reviewed
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[Journal Article] Bioluminescence imaging of c-fos gene expression accompanying filial imprinting in the newly hatched chick brain.2010
Author(s)
Yamaguchi, S., Fujii-Taira, I., Hirose N., Kitajima, T., Katagiri, S., Kawamori, A., Matsushima, T., Homma, K.-J.
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Journal Title
Neuroscience Research
Volume: 67
Pages: 192-195
Peer Reviewed
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