2010 Fiscal Year Annual Research Report
学習時の動機によって記憶・学習効率の違いを生み出す神経メカニズムの解明
Project/Area Number |
22570078
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
岡田 龍一 徳島文理大学, 香川薬学部, 研究員 (20423006)
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Keywords | 記憶 / 学習 / 動機 / 脳 / 昆虫 / 電気生理 |
Research Abstract |
同じタスクを学習しても動機(モチベーション)によって学習効率や記憶の保持期間が異なるが、なぜそのようなことが生じるのかについての神経メカニズムはわかっていない。ミツバチの8の字ダンスによるコミュニケーションにおいて、巣内のミツバチはダンスバチが持ち帰った蜜に残留する餌場のにおいを記憶している。よって、コロニー内にはダンスバチとの接触度合いにより、積極的に記憶するミツバチ、非積極的に記憶するミツバチ、無意識に記憶しているミツバチが存在する。このことに着目し、それぞれのミツバチにおいて記憶したにおいに対する脳の神経活動を比較し、学習時の動機によって記憶・学習効率の違いを生み出す神経メカニズムを解明することを目的とする。 今年度は、電気生理学実験によって、無意識的に学習したミツバチから脳の神経活動記録を13例得た。さらに、対照群として学習させていないミツバチからの記録を7例得た。現在これらの神経活動と学習効率との関係の解析を進行させているところである。訓練終了後、13匹のミツバチのうち9匹は5分後にも、5匹のミツバチは60分後にも学習したにおいを記憶していた。3匹のミツバチは60分後ににおいを記憶していたが、学習したにおいとそうでないにおいの識別ができなかった。現在は、これらのミツバチを記憶の保持期間を指標にしてグループ分けをし、電気生理実験による神経活動との相関の解析を進行中である。さらに、実験の例数を増やすために同様の実験を平行して行っている。
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