2012 Fiscal Year Annual Research Report
昆虫の湿度感覚に関わる前大脳高次情報処理についての生理学的形態学的研究
Project/Area Number |
22570080
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
横張 文男 福岡大学, 理学部, 教授 (20117287)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 触角葉糸球体 / 嗅覚 / 湿度感覚 / 温度感覚 / 昆虫 / 前大脳 |
Research Abstract |
平成23年度の研究では次のことを明らかにしていた。触角葉糸球体の数は雌雄とも同数で約205個であった。雄には性フェロモン受容ニューロンが投射する大糸球体複合体があるが、雌においても雄の大糸球体複合体と同位置に対応する糸球体があった。このように糸球体の数には性的な違いはなく、位置にも大きな個体差はなく、全糸球体の地図を作成できた。 平成24年度は、糸球体のそれぞれの糸球体に投射する触角上の嗅感覚子の受容ニューロンの投射先を調べた。触角には形態的に区別できる数種類の嗅感覚子があり、それぞれの感覚子に含まれる嗅受容ニューロンの匂い応答スペクトルは、過去の我々の研究わかっていた。各感覚子から蛍光色素を注入し、LSMで観察・撮影し画像処理ソフトで画像処理を施し、各感覚子に含まれる嗅受容ニューロンが投射する糸球体を同定することができた。嗅感覚子にはクチクラ装置の表面が滑らかなものと縦溝のあるものにわけられ、この外部構造とその感覚子に含まれる嗅受容ニューロンの応答物質の間には一定の関係がある。その投射先もこれに対応して糸球体の大きさと触角葉内での分布域が2群に分かれていることが明らかになった。また、湿度・温度受容ニューロンの投射先の糸球体との関係について調べたところ、この2群の糸球体とはその輪郭が異なり、分布域も2つの糸球体群の中間に位置するなどの特徴があった。 これらの糸球体に樹状突起をもつ投射ニューロンなどの投射経路と投射先について異なる個体で得た知見を統合するために、標準脳を作製した。個体が異なると脳の形態にも差がある。これを解消するために数個体の脳の構造を画像処理によって平均化することによって標準化したものを標準脳という。この標準脳にニューロンの投射経路や投射先などの形態学的知見を埋め込むことによって、各ニューロン間の関係を個体差を超えて明らかにすることができる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)