2012 Fiscal Year Annual Research Report
ハナガサノキ(アカネ科)における性表現の多様性とその進化
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22570096
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
菅原 敬 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (10226425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 晃 首都大学東京, 理工学研究科, 助教 (10315749)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ムニンハナガサノキ / 性表現 / ハナガサノキ / 雄性両全性異株 / 雌雄異株 / 小笠原諸島 / 分子系統 / アカネ科 |
Research Abstract |
ハナガサノキ(Morinda umbellata L.)の二つの亜種,すなわち狭義のハナガサノキとムニンハナガサノキは性表現が異なる.狭義のハナガサノキは雌雄異株(Dioecy), ムニンハナガサノキは雄性両全性異株(Androdioecy)である.これらの性型が互いにどんな関係にあり,そしてどう進化してきたのかを系統学的視点ならびに送粉生物学的視点から解明することを試みた. 日本を含む東アジア地域に分布する同属の種を含めた分子系統解析(葉緑体trnL-F領域,核ITS,ETS領域の塩基配列情報に基づいた分子系統解析)を進めた結果,ハナガサノキとムニンハナガサノキは単系統群を形成せず,系統的に離れていることが判明した.一方,ムニンハナガサノキは台湾や中国大陸東南部に分布するM. parvifoliaと単系統群を形成することが判明した.この事実は小笠原固有ムニンハナガサノキのルーツが東アジアにあり,M. parvifoliaに最も近縁であることを示唆する. ムニンハナガサノキと姉妹群をなすM. parvifoliaの性型については,先行研究で機能的には雌雄異株であることが報告されている.また,これらの種の系統樹に性型をマッピングすると,より基部に位置する琉球列島や中国産の狭義ハナガサノキも雌雄異株である.この事実を考慮すると,ムニンハナガサノキの雄性両全性異株は雌雄異株から由来した可能性が高い. 送粉様式を調べてみると,雌雄異株の狭義ハナガサノキは送粉者への報酬として蜜を使っているが,雄性両全性異株のムニンハナガサノキは花粉を主に使っている.この違いが性表現の違いにも影響してきた可能性が考えられる.しかし,近縁のM. parvifoliaの送粉様式が依然不明であるため,今後の調査がさらに必要である.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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