2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22570099
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
長谷川 政美 統計数理研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 名誉教授 (60011657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曹 纓 統計数理研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 助教 (20370091)
足立 淳 統計数理研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (30370092)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ゲノム系統学 / 種系統樹 / 集団系統樹 / 遺伝子系統樹 / ミトコンドリア系統樹 / 最尤法 / 種サンプリング |
Research Abstract |
近年ゲノム系統学的な方法は、さまざまな分野に適用され多くの成果を挙げている。その際、多くの遺伝子を解析する目的は、集団としての種系統樹(集団系統樹)を明らかにすることであるが、個々の遺伝子系統樹は互いに食い違っているのが一般的である。その原因としては祖先多型のIncomplete Lineage Sortingと交雑による遺伝子転移の問題が重要である。このように負っている歴史が異なる多くの遺伝子を扱うにも拘らず、それらを単純に連結して解析し、一つの系統樹を描き出してそれを種の系統樹と見なすことが一般的に行われてきた。われわれはそのようなやり方には深刻な問題があり、必ずしも集団系統樹が得られるとは限らないことを示した。 ミトコンドリア・ゲノムは比較的小さくて解析しやすいために、特に哺乳類の系統解析ではこれまでよく使われてきた。近年、これを補うかたちで核遺伝子の解析が行われた結果、ミトコンドリア系統樹は概ね正しいことが確認されたが、いくつかの系統では明らかに間違った系統樹が強く支持されていることが明らかになり、系統学におけるミトコンドリア・ゲノムの有効性に疑念が持たれるようになってきた。われわれは、種のサンプリングを密にすることによって、最尤法を用いればミトコンドリア・ゲノムのデータによっても、これまで間違っていたいくつかの問題で、正しい系統樹が支持されるようになることを示した。ただし、最尤法以外の距離行列法や最節約法では密な種サンプリングの効果が十分に生かされず、また最尤法でも現実の置換過程を十分に反映したモデルを用いないと正しい系統樹を得るのが難しいことを示した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)