2011 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素環境に潜む初期菌類群「LKM11クレード」の実像と進化を探る
Project/Area Number |
22570105
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Research Institution | Higashichikushi Junior College |
Principal Investigator |
長濱 統彦 東筑紫短期大学, 食物栄養学科, 講師 (10359169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 征行 独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋・極限環境生物圏領域, 技術研究副主事 (50399573)
長野 由梨子 独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋・極限環境生物圏領域, 研究員 (30512917)
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Keywords | 菌類 / LKM11クレード / 初期進化 |
Research Abstract |
当該年度においては、 1.LKM11クレードを検出するための効率的なツールの開発、LKM11クレードの定義の確立、 2.湖沼・淡水・深海環境からの幅広いサンプリングと各種PCR手法によるLKM11クレードの検出法の効率化、 3.クローニングまたはDGGE法による微生物群集構造および多様性解析、 を実施予定であった。 1.については、3.において取得した湖沼底泥サンプルを用いて、現在報告されているLKM11特異的プライマーの有用性を検証したところ、ほとんど増幅が見られなかった。当該年度における他研究グループの論文では、LKM11クレードは極めて普遍的かつ多様なグループであり、"Cryptomycota"という非常に広大な分類群として命名されている。これにより、LKM11クレードのユニバーサルかつ特異的なプライマーのデザインは相当難しいことが予想されてきたため、今後は"Cryptomycota"の多様な系統群のそれぞれを可能な限り調査・認識し、報告した後、個々についてプライマーのデザインを行ったほうが効率がよいと考えている。 2.については、当該年度において、4地点の天然・人口湖沼でのサンプリングを実施した(広島県大竹市弥栄湖、宮崎県都城市御池、長崎県松浦市白岳池周辺ため池、山口県宇部市常盤湖)。ただサンプルとして十分な質を備えたものは御池と常盤湖のみであったため、今後予定地点の状況をよく事前に調査し、サンプリングを実施する予定である。また、湖沼以外の日常環境においても、存在の可能性が高まったため、近隣地点についても調査を行っていく。 3.各湖沼および深海底泥サンプルについて、菌類特異的プライマーを用いてのPCR増幅を実施し、一部のものを除いて存在を確認した。結果は現在解析中であるが、深海底泥におけるLKM11クレードを含む菌類多様性や微生物分離における成果を論文発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サンプルの取得はおおむね順調であり、逐次解析も行っている。特異的プライマーの開発はおおまかな解析後行った方が効率的であると考えられた。解析結果については査読つき雑誌論文に発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
・サンプリング手法の検討を行うことで、限られた時間の中でのサンプル取得、サンプリング環境データの取得の効率化が図れると考えられた。 ・PCRに基づく手法の限界が露見したため、次世代シーケンサを用いてメタゲノム的手法によりアプローチすべきかもしれないが、予算的に実施は難しいと考えられる。
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Research Products
(4 results)