2012 Fiscal Year Annual Research Report
アミド水素に依存しないタンパク質立体構造解析のためのNMR測定および解析法の開発
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22570109
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小椋 賢治 北海道大学, 先端生命科学研究科(研究院), 特任准教授 (50270682)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | NMR / タンパク質 / 立体構造解析 |
Research Abstract |
本研究の目的は,従来,NMRによるタンパク質主鎖連鎖帰属法において必須であったアミド水素の化学シフトに依存しない主鎖連鎖帰属法および立体構造解析法を開発することである.前年度までにアミド水素に依存しないタンパク質主鎖連鎖帰属スキームを開発した.本手法により,重水溶媒に溶解したタンパク質の主鎖連鎖帰属スキームを確立した.さらに,重水溶媒中で得たNOESYスペクトル由来の距離制限を用いて立体構造計算をおこなったところ,軽水溶媒中で得たNOESYスペクトル由来の距離制限を使用した場合と同程度の精度で立体構造解析できることがわかった. 当該年度は前年までの実績を踏まえて,今手法をSH3ドメインのリガンドペプチドの立体構造解析に応用した.このリガンドペプチドは10残基からなる低分子量ペプチドであるが,プロリンに富むアミド配列をもつことから従来法のアミド水素に依存した主鎖連鎖帰属法ではスペクトル解析が困難であった.このペプチドに対して本研究で確立した手法を適用し,主鎖連鎖帰属を完了することができた.主鎖連鎖帰属結果に基づいた化学シフト値の統計的アプローチにより,このペプチドがSH3ドメインと結合していない状態においても,ある程度の二次構造を形成していることが示唆された.さらに,NMR緩和分散法を用いて,このペプチドがSH3ドメインと相互作用する際の立体構造ダイナミクスを解析した.その結果,ペプチドのうちふたつの残基がSH3ドメインとの相互作用に重要な役割を担っていることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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