2010 Fiscal Year Annual Research Report
膵臓酵素に見出した糖鎖認識による消化・吸収と外分泌調節機構の解明
Project/Area Number |
22570111
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
小川 温子 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (90143700)
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Keywords | 膵臓酵素 / 消化・吸収 / 外分泌調節 / 糖鎖認識 / 糖代謝 / 糖尿病 / Na+-Glc共輸送体1(SGLT1) / α-アミラーゼ |
Research Abstract |
申請者らは動物の成育に必須なエネルギーおよび栄養獲得の過程において働く膵臓消化酵素が、糖タンパク質の糖鎖に対する特異的結合性を有し、糖鎖結合により酵素活性が調節されることを発見した。本研究では、各膵臓酵素に対する膵臓内および腸管内の複合糖質レセプターを同定し、酵素と複合糖質レセプターとの相互作用が、膵臓外分泌と栄養消化・吸収過程において果たす機能を解明することを目的とした。 十二指腸組織を用いたブタ膵α-アミラーゼ(PPA)免疫組織染色では、PPAは糖特異的に刷子縁(BBM)に結合していることが示された。PPAカラムに結合しMeα-Manで溶出される画分のタンパク質同定を行ったところ、スクラーゼーイソマルターゼ(SI)とNa+-Glc共輸送体1(SGLT1)等のGlcの消化・吸収に関与する膜型糖タンパク質が示唆された。PPAのデンプン分解活性は特異糖、N型糖タンパク質、またはBBMによって増強し、またSIのマルトース分解活性はPPAにより増強された。一方、SGLT1の細胞内Glc輸送活性はPPAにより抑制され、Man特異的レクチンの添加によりPPAの結合を阻害することによって回復した。 本研究からPPAは、(1)N-型糖鎖への結合を介して十二指腸BBMに局在し、(2)BBMの各レセプターの活性に影響を与え、腸管腔でのデンプン分解とGlc生成を促進する一方、腸細胞へのGlc輸送を抑制することが明らかになった。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Survival signals of hepatic stellate cells in liver regeneration are regulated by glycosylation changes in rat vitronectin, especially decreased sialylation.2010
Author(s)
Kotone Sano, Yasunori Miyamoto, Nana Kawasaki, Noritaka Hashii, Satsuki Itoh, Misaki Murase, Kimie Date, Mild Yokoyama, Chihiro Sato, Ken Kitajima, Haruko Ogawa
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Journal Title
Journal of Biological Chemistry
Volume: 285
Pages: 17301-17309
Peer Reviewed
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