2010 Fiscal Year Annual Research Report
イオンモビリティ質量分析による生体超分子のコンフォメーション解析
Project/Area Number |
22570120
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
明石 知子 横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科, 准教授 (10280728)
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Keywords | 蛋白質 / 生体分子 / 分析科学 / 質量分析 |
Research Abstract |
複数のタンパク質からなる複合体(生体超分子)で結晶化が困難な故に解析できない複合体や、単独で存在する時の構造とターゲット分子と結合した状態とで構造が一変するタンパク質について、イオンモビリティ質量分析により複合体の質量と合わせて衝突断面積の情報を獲得し、複合体の安定性やコンフォメーション変化を詳細に解析するための系統だった手法を確立することを目的として次のような実験を行った。 生体超分子のサイズや性質に応じた測定のための最適な実験条件を把握するため、Alcohol Dehydrogenase (140kDa)やTransthyretin(56kDa)など、標準的なタンパク質試料を用いて検討を行った。その結果、サンプルコーンの電圧やコリジョン電圧はできるだけ低く抑えないとコンフォメーションの変化を引き起こすこと、トラップ部の真空度はm/zの大きなイオンの感度やモビリティに大きく影響すること等がわかった。また、キャリブレーションには、標準的な実験方法として採用されている、衝突断面積が既知のチトクロームc、ミオグロビン、ユビキチンの酸変性させた多価イオンを用いるよりも、複数の非変性タンパク質を用いて行う方がよいことがわかった。 これらの知見を踏まえ、基本転写因子TFIIEのイオンモビリティ質量分析を試みた。サンプルの劣化が早かったため、目的物以外のピークも多く観測されたが、5400-5800A^2であることがわかった。スペクトルの質が悪いため、再度、サンプル調製と測定を行う予定である。 眼水晶体のクリスタリンタンパク質は、フレキシブルなテール部分を有するタンパク質で、βB2のように結晶構造が解かれているものもあるが、βB3は構造が解かれていない。これについて、シドニー大学・ダウナード准教授との共同研究でイオンモビリティ質量分析の実験を行った。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Deimination stabilizes histone H2A/H2B dimers as revealed by electrospray ionization mass spectrometry2010
Author(s)
Shimoyama, S., Nagadoi, A., Tachiwana, H., Yamada, M., Sato, M., Kurumizaka, H., Nishimura, Y., Akashi, S.
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Journal Title
J.Mass Spectrom.
Volume: 45
Pages: 900-908
Peer Reviewed
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[Journal Article] Guidelines for reporting the use of capillary electrophoresis in proteomics.2010
Author(s)
Domann, P.J., Akashi, S., Barbas, C., Huang, L., Lau, W, Legido-Quigley, C., McClean, S., Neususs, C., Perrett, D., Quaglia, M., Rapp, E., Smallshaw, L., Smith, N.W, Smyth, W.F., Taylor, C.F., Minimum Information About a Proteomics Experiment(MIAPE)
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Journal Title
Nat Biotechnol.
Volume: 28
Pages: 654-655
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