2011 Fiscal Year Annual Research Report
光応答性酸素発生機能を有するトキイロヒラタケ由来の色素タンパク質の構造研究
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22570123
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
柴田 直樹 兵庫県立大学, 大学院・生命理学研究科, 准教授 (30295753)
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Keywords | 色素タンパク質 / 結晶構造解析 / 担子菌 / 酸素発生 |
Research Abstract |
光応答的に酸素分子を発生するトキイロヒラタケ由来色素タンパク質の結晶構造解析によって、活性中心の構造と酸素発生メカニズムの解明を目指す。色素タンパク質を構築する2種類のポリペプチド鎖のうち、1種類については立体構造が解析されているので、もう一つのサブユニットを含んだ全体の構造を明らかにする。また、すでに報告されている酸素発生活性の再確認と、トキイロヒラタケ子実体から遺伝子の塩基配列の決定から試料調製、結晶化、構造解析まで行う。本研究課題では主に以下の3点に絞って研究を計画していた。 2-1試料調製、2-2酸素発生活性測定、3-1ヘテロダイマーの結晶化、3-2ヘテロダイマー結晶のX線回折実験、3-3旧結晶化条件で得られた結晶構造の精密化 上記項目の内、2-1と2-2については目的をほぼ達成したが、3-1については平成23年度中には結晶化に成功しなかった。そのために3-2の遂行には至っていない。3-3については、構造精密化の過程で、これまでに知られていなかった物質が色素タンパク質内部に含まれていることが明らかになった。この物質の同定はまだ出来ていないが、おそらく色素分子であると推察される。ペプチド部分の精密化作業は完了したが、この新規分子の同定が完了しなければ全体の精密化を完了することが出来ないため、同定のための準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要で記した、3-1ヘテロダイマーの結晶化の項目が平成23年度中には目的を達成できなかった。それによってそれ以降の計画を遂行できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度中に達成できなかった3-1の項目以降について引き続き結晶化のための研究を遂行する。結晶が得られなかった理由の一つとして、試料の純度が結晶化に十分ではなかったことがあげられる。そのため、精製方法の更に検討し、より高純度の試料を調製することを目指す。また、色素タンパク質内部に見つかった新規分子の同定を行い、構造精密化を完了させる。
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Research Products
(2 results)