2010 Fiscal Year Annual Research Report
固体NMRによる新規室温磁場配向膜を用いた膜表在性タンパク質脂質結合機能の解明
Project/Area Number |
22570126
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
西村 勝之 分子科学研究所, 物質分子科学研究領域, 准教授 (00334631)
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Keywords | 膜タンパク質 / 固体NMR / 配向試料 / バイセル / 膜表在性 / PLC-δ1 / PHドメイン / 開発 |
Research Abstract |
本研究では固体NMR解析手段として、十分に水和された配向および非配向脂質二重膜に結合した膜表在性タンパク質を、配向およびマジック角回転(MAS)双方の手法を組み合わせることにより、系統的に当該タンパク質の動的立体構造決定するための手法の開発を目的としている。本年度は手法開発のためのモデル膜表在型タンパク質としてヒト由来PLC-δ1 PHドメイン(hPH)の大腸菌を用いた大量発現系構築を新たに行い、十分な量の当該タンパク質の発現、精製および安定同位体標識試料の作成に成功した。また、当該タンパク質のリガンド分子の一つであるD-myo-inositol 1,4,5-triphosphate (IP_3)の有無による水溶液中での構造および状態変化について溶液NMRを用いて解析した。 また、不飽和、および飽和脂質分子を適切な割合で混合することにより、少なくとも30℃から65℃の温度領域で安定的に自発磁場配向する超楕円体脂質膜試料の開発に成功した。その磁場配向特性について^<31>P-固体NMRを用いて評価し、自作のプログラムによるコンピューターシミュレーションによりスペクトル線形の解析を行い、楕円体短軸に対する長軸の比を解析した。 さらに市販の固体MASNMRプローブを改造し、上記のような脂質膜など生体配向試料を対象とした精密な温度調節が可能な高感度・高効率な固体静止プローブおよび試料管を開発した。また、別途独自設計の高感度、高耐電圧固体NMRプローブの設計を完了し、製作中である。
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Research Products
(3 results)