2012 Fiscal Year Annual Research Report
固体NMRによる新規室温磁場配向膜を用いた膜表在性タンパク質脂質結合機能の解明
Project/Area Number |
22570126
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
西村 勝之 分子科学研究所, 物質分子科学研究領域, 准教授 (00334631)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 膜タンパク質 / 固体NMR / 配向試料 / バイセル / 膜表在性 / PLCδ1 / PHドメイン / 開発 |
Research Abstract |
本研究は膜表在性タンパク質(ヒト由来PLC-δ1 PHドメイン;hPH)をモデルタンパク質として、NMRを用いて膜表在性タンパク質の構造、および機能解析のための手法開発、および同タンパク質の機能発現機構を解明することを目的としている。 Native PAGEによる機能解析法を開発し、生理的環境に近い状態での膜表在性タンパク質ヒト由来PLC-δ1 PHドメイン(hPH)の機能解析法、およびタンパク質の熱安定性評価法の確立に成功した。これらの解析により、hPHに特徴的に存在し基質とは直接結合しないα2ヘリックスが、hPHの基質結合状態の安定化およびタンパク質の熱安定性の上昇に寄与していることを明らかにした。 また、主鎖Lys残基特異的に15N安定同位体標識したhPH、およびその部位特異的変異体について溶液NMRによる解析を行った。昨年度の解析で、hPHに特徴的に存在するα2ヘリックスが基質結合に伴って構造の安定化が起こることを明らかにしたが、この効果は基質結合に伴い、α2ヘリックスが、空間的に離れた位置に存在するα3-α4ループと、間接的に相互作用することにより生じることを明らかにした。 また、Ala残基側鎖メチル基を特異的に13C安定同位体標識したhPHをPOPC/PIP2マルチラメラベシクル最表面上に結合させた試料の、CP-MAS, シングルパルスによる13C磁化の直接励起、および試料回転同期型INEPTによる固体NMR測定を400、および920MHzNMRの双方で行った。しかし、どの場合にも信号強度は極めて低く、かつ広幅であった。このため、同タンパク質は脂質膜表面結合状態では、不均一構造を取っていることが示唆された。本結果は、他研究グループにより報告されている脂質挿入の知見とも一致した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(15 results)