2011 Fiscal Year Annual Research Report
神経内分泌細胞のコレステロール代謝とホルモン分泌調節のクロストークを解明する
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22570133
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
穂坂 正博 秋田県立大学, 生物資源科学部, 教授 (80311603)
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Keywords | 内分泌細胞 / 分泌顆粒 / グラニンタンパク質 / セクレトグラニンIII / コレステロール / ペプチドホルモン / 膜脂質組成 / ホルモン分泌 |
Research Abstract |
申請者は神経内分泌細胞の"ペプチドホルモンが分泌顆粒へ選別されるメカニズム"を解析する過程で、ホルモンを選別し分泌顆粒へ輸送するセクレトグラニンIII(SgIII)が高コレステロールである分泌顆粒膜に結合すること、細胞内コレステロール合成を阻害すると顆粒の形態不全が起こること、など顆粒膜コレステロールの重要性に遭遇した。本申請では、分子レベル、細胞レベル、個体レベルでのSgIII機能の解析を足掛かりに、神経内分泌組織である視床下部、下垂体、膵島での分泌顆粒形成におけるコレステロールの関与を明らかにし、コレステロー代謝とホルモン分泌のクロストークといった高次機能の解明を行うことを目標にしている。 申請者は平成22年度にSgIII発現抑制細胞を解析してトランスゴルジネットワークから分泌顆粒にホルモンを輸送する経路としてSgIIが関与する経路とは別の経路が存在することを見出した。そこで平成23年度は別のグラニンタンパク質であるセクレトグラニンII(SgII)が顆粒にホルモンを運ぶか検証したところ、SgIIは顆粒膜成分のコレステロールに結合してSgIIIとは別のメカニズムで顆粒へホルモンを運ぶことを示した(論文投稿中)。一方、SgIIを欠損したノックアウトマウスの解析は、前年度に顆粒の形態不全を見出し、現在、内分泌器官からのインスリン、ACTHと云ったホルモンの分泌を検証している。またSgIIIノックアウトマウスに、高脂肪食を与え、肥満とSgIIIの関係について検証している。更に新規コレステロール蛍光プローブCholesterol-Si-perlyreneを作成し、細胞内における蛍光を観察した。現在、perlyreneに対する抗体を作成し、詳細な細胞内局在を調べている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SgIII欠損マウスの解析はおおむね順調である。平成23年度までに電顕レベルの解析は終わっている。平成24年度は各臓器からのホルモン分泌測定を行い、更に肥満との関係を解析予定である。また細胞レベルの解析については終わっており、論文のリバイスを行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
分泌顆粒膜結合タンパク質がコレステロールと結合する部位の同定を準ゆている。生化学的データは十分収集している一方で構造解析が遅れている。本学で所有しているものは300MHzと出力が低く、詳細な解析を行うには600MHzの出力を持つNMRが必要となる。現在、連携研究者を通じて理化学研究所の高出力NMRで解析を行っている。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Cyclophilin C-associated protein regulation of phagocytic functions via NFAT activation in macrophages2011
Author(s)
Yamaguchi, R., Hosaka, M., Torii, S., Hou, N., Saito, N., Yoshimoto, Y., Imai., H., Takeuchi, T.
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Journal Title
Brain Res
Volume: 1397
Pages: 55-65
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[Journal Article] Silylation Enhancement of Photodynamic Activity of Tetraphenylporphyrin Derivative.J.Photochem.Photobiol.2011
Author(s)
Horiuchi, H., Kameya, T., Hosaka, M., Yoshimura, K., Kyushin, S., Matsumoto, H., Okutsu, T., Takeuchi, T., Hiratsuka, H.
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Journal Title
J.Photochem.Photobiol.
Volume: 221
Pages: 98-104
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] A unique ball-shapeed Golgi apparatus in the rat pituitary ganadotrope : its functional implications in relation to the arrangement of microtuble network
Author(s)
Watanabe, T., Sakai, Y., Koga, D., Bochimoto, H., Hira, Y., Hosaka, M., Ushiki, T.
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Journal Title
J.Histochem.Cytochem.
Volume: (In press)
Peer Reviewed
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[Presentation] Iridiumcomplex probes for monitoring of cellular oxygen levels and imaging of hypoxictissues2012
Author(s)
Tobita, S., Yoshihara, T., Kobayashi, A., Ichikawa, K., Hosaka, M., Takeuchi,T
Organizer
SPIE
Place of Presentation
San Francisco, USA
Year and Date
20120100
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