2010 Fiscal Year Annual Research Report
骨形成因子BMPシグナルによる造血微小環境のホメオスタシスの制御
Project/Area Number |
22570135
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
辻 邦和 東京医科歯科大学, 歯と骨のGCOE拠点, GCOE拠点形成特任教員 (20323694)
|
Keywords | BMP / 造血幹細胞 / 骨芽細胞 / 造血微小環境 / コンディショナルノックアウトマウス / FACS |
Research Abstract |
骨芽細胞は、骨髄造血微小環境(HSC niche)の重要な構成要素であることが示されている。本研究では、骨芽細胞の増殖分化に必須であるBMPシグナルの、随内造血のホメオスタシスにおける生理機能を明らかとするために、骨髄特異的BMP4およびBMP7のコンディショナルノックアウトマウスを作成し、それらの造血系の異常を、骨髄細胞の表面抗原解析により検討する事を目的としている。本年度は、骨髄特異的BMP4、BMP7のコンディショナルノックアウトマウスの作成をおこない、骨髄細胞においてBMP4および7の遺伝子座のリコンビネーションならびに遺伝子発現量が5%以下に減少している事を確認した。またそれらコンディショナルノックアウトマウスの骨髄細胞の系譜の解析をFACSにて行った結果、BMP4を骨髄で欠損したマウスでは赤芽球、T細胞、B細胞、単球の表面抗原を発現する細胞集団のポピュレーションに有為な変化は見られなかったが、Lin^-Scal^+c-Kit^+で表される造血幹細胞のポピュレーションが有意に減少している事を見いだした。これに対して、BMP7の欠損マウスでは各細胞系譜ならびに造血幹細胞のポピュレーションに大きな変化は見られなかった。この知見は、随内造血において、BMP4がHSC nicheのサイズの制御に機能している事を示唆している。
|
Research Products
(2 results)