2012 Fiscal Year Annual Research Report
ラジカル酵素システムの動作原理の解明-酵素研究の新しいパラダイムを求めて-
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22570143
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
虎谷 哲夫 岡山大学, 自然科学研究科, 特命教授 (70026318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
世良 貴史 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (10362443)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | ラジカル酵素 / B12補酵素 / S-アデノシルメチオニン / 酵素反応機構 / 再活性化因子 / 活性化蛋白質 / 立体構造 / システム酵素学 |
Research Abstract |
1.エタノールアミンアンモニアリアーゼ(EAL)の精密触媒機構 EALの活性部位アミノ酸残基に変異を導入した結果、Argα160、Glnα162、Asnα193、Gluα287、Aspα362はいずれも触媒機能に必須であることが分かった。補酵素活性化や酵素反応中間体安定化におけるこれらの残基の機能を解明した。 2.グリセロールによるジオールデヒドラターゼ(DD)の不活性化 グリセロールはDDにGRコンホメーションで結合すると触媒作用を受け、GSで結合するとDDの機構依存的不活性化を引き起こす。基質ラジカルの転位反応の活性化エネルギーはGSの場合の方が高く、また、GRからの遷移状態がSerα301との水素結合により安定化された。よって、不活性化はGSから起こることが理論化学的に説明できた。 3.ジオールデヒドラターゼ再活性化因子(DD-R)と活性維持システム DD-Rのマグネシウムイオン結合部位はサブユニットの界面にあり、これらの間の相互作用に関与する。また、ADP(ATP)結合部位はヌクレオチドスイッチに関与する。これらの部位への変異導入による解析の結果、両部位の重要性が明らかとなった。 DDには補酵素交換による再活性化機構とは別に、損傷補酵素の修復による再活性化機構も存在することを発見した。交換促進因子であるDD-Rと補酵素再生系酵素(レダクターゼとアデノシル化酵素)とから構成されるシステムによりB12補酵素がリサイクルして酵素活性が維持されることが示された。 4.新機能ラジカル酵素とその活性化蛋白質 ピルビン酸ギ酸リアーゼ関連ラジカル酵素と予測されていた大腸菌PflDとS-アデノシルメチオニン関与活性化蛋白質と予測されたPflF、PflCの大量調製法を確立した。PflCによるラジカル導入が実証でき、また結晶構造解析の結果、PflDはグリシルラジカル酵素であることが裏付けられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)