2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内タンパク質フォールディング機構の解明~in vivoタンパク質相互作用解析
Project/Area Number |
22570146
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
小池 あゆみ 神奈川工科大学, 応用バイオ科学部, 准教授 (20454176)
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Keywords | シャペロニン / タンパク質 / フォールディング / 相互作用 |
Research Abstract |
シャペロニンGroELの反応サイクルは、2つのリングが交互に機能しながらはたらくことが通説として定着してきた。しかし我々は最近、これまでの作用機構モデルでは存在しえないフットボール型反応中間体(2つのリングに同時にGroESが結合した複合体)の重要性を確認したため、シャペロニンの新しい作用モデルの確立が必要である。本研究では、細胞内光クロスリンク技術を使い、大腸菌の細胞内で形成されたGroELのフットボール型複合体の検出を目指した。光反応性のアミノ酸アナログであるパラベンゾイルフェニルアラニン(pBpa)をGroESのGroEL結合部位に取り込ませ、pBPAとGroELとの間に紫外線照射によって架橋を形成させて細胞内で形成したGroEL複合体の解析を行った。pBpaの導入部位の指定は、終始コドンの1つであるアンバーコドン(UAG)を用い、変異導入GroES遺伝子はアンバーサプレッサーtRNA、pBpa特異的アミノアシルtRNA合成酵素とともに大腸菌内で発現させた。宿主大腸菌はゲノム上のGroESの発現をアラビノースの有無によって制御可能なMGM100株を使用することで、大腸菌内のほとんどのGroESは変異型となる。大腸菌がある程度生育した後、紫外線を照射して細胞内GroEL/GroES複合体を光架橋し、Native PAGEとウェスタンブロッティングで解析したところ、GroEL、GroELに1分子のGroESが結合した弾丸型複合体、フットボール型複合体の形成を確認することができた。これにより、細胞内においてもin vitroでの知見と同様に、GroELが同時に2分子のGroESを結合したフットボール型複合体を形成して機能していることが示唆された。
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