2011 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内タンパク質フォールディング機構の解明~in vivoタンパク質相互作用解析~
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22570146
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
小池 あゆみ 神奈川工科大学, 応用バイオ科学部, 教授 (20454176)
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Keywords | シャペロニン / タンパク質 / フォールディング / 相互作用 |
Research Abstract |
シャペロニンGroELの反応サイクルは、2つのリングが交互に機能しながらはたらくことが通説として定着してきた。しかし我々は最近、これまでの作用機構モデルでは存在しえないフットボール型反応中間体(2つのリングに同時にGroESが結合した複合体)の重要性を確認したため、シャペロニンの作用モデルを見直す必要がある。本研究では、細胞内光クロスリンク技術を使い、大腸菌の細胞内で形成されたGroELのフットボール型複合体の検出を目指した。光反応性のアミノ酸アナログであるパラベンゾイルフェニルアラニン(pBpa)をGroESのGroEL結合部位に取り込ませ、pBPAとGroELとの間に紫外線照射によって架橋を形成させて細胞内で形成したGroEL複合体の解析を行った。Native PAGEによる分離条件を検討し、ウェスタンブロッティングで解析したところ、細胞内において、1分子のGroELに1分子のGroESが結合した"弾丸型"GroES-GroEL複合体に加え、1分子のGroELに2分子のGroESが結合した"フットボール型"GroES-GroEL-GroES複合体が形成していることが確認できた。 また、蛍光相互相関分光法(FCCS)によって大腸菌内でフットボール型複合体の形成を確認することを目指し、まずは、GFP融合GroESを大腸菌内で発現させて蛍光相関分光法(FCS)を行ったところ、複合体分子量(約800kDa)に相当する分子の蛍光が観察できた。これにより、GroESを別の蛍光ラベルで同時発現させることで、FCCSによるフットボール型複合体の確認が可能であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大腸菌細胞内で形成されたフットボール型複合体を、細胞内光クロスリンク技術で検出することができ、FCCSでも検出できる目処が立った。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、各複合体の生成比と培養条件による変化を細胞内光クロスリンク技術で分析する予定である。また、FCCSによるフットボール型複合体の検出も予定通り行う。
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