2011 Fiscal Year Annual Research Report
コンドロイチン硫酸修飾酵素群による大脳皮質形成の制御機構
Project/Area Number |
22570149
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
前田 信明 公益財団法人東京都医学総合研究所, 脳発達・神経再生研究分野, プロジェクトリーダー (90202308)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神村 圭亮 財団法人東京都医学総合研究所, 脳発達・神経再生研究分野, 研究員 (30529524)
|
Keywords | コンドロイチン硫酸 / 硫酸転移酵素 / 大脳皮質 / 神経細胞移動 / シナプス形成 |
Research Abstract |
コンドロイチン硫酸(CS)は、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)とグルクロン酸(GlcA)からなる二糖単位が多数重合した直鎖状の多糖である。CSは生合成の過程で、水酸基の硫酸化、および、GlcAのC5エピマー化という修飾を受け、糖鎖内に微細糖鎖構造と呼ばれる機能ドメインが形成される。このような機能ドメインは、成長因子等の様々な蛋白質と選択的に結合して、その生理機能を調節していると考えられている。微細糖鎖構造の中でも、uronyl2 -sulfotransferase(UST)およびGalNAc4S 6-sulfotransferase(GalNAc4S 6ST)によって形成されるCS多硫酸化構造、およびdermatan 4-sulfotransferase(D4ST)とDS epimeraseによって形成されるデルマタン硫酸構造が重要な役割を果たしていると考えられている。これまで我々は、子宮内胎仔電気穿孔法等を用いてUSTやGalNAc4S 6STをノックダウンすることによって、CS多硫酸化構造が大脳における神経極性化や神経細胞移動に重要な役割を果たしていることを明らかにした。今回、デルマタン硫酸構造の機能を解析するためD4STとDS epimerase-1、-2についてノックダウン用および過剰発現用プラスミドを構築した。これまで、大脳皮質神経細胞におけるD4STの発現を、子宮内胎仔電気穿孔法を用いてノックダウンしても、神経細胞移動には大きな影響が生じないことを見出している。今後、同様の実験をDS epimerase-1、-2について行ない、神経細胞の増殖、分化、移動におけるデルマタン硫酸構造の機能を解析する予定である。また本年度は、既に子宮内胎仔電気穿孔法により大脳皮質形成における重要性が明らかになっているGalNAc4S 6STについて、その遺伝子ノックアウトマウスを導入した。現在、その繁殖を進めているところであり、今後、脳の発達異常の有無を解析する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題は二名の研究分担者とともに開始したが、本年度、その内、一名が退職した。そのため、子宮内胎仔電気穿孔法を用いた組織化学的解析にやや遅れが生じている。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度、子宮内胎仔電気穿孔法を担当していた研究者が退職したため、次年度は本研究費で新たに実験補助員を雇用して研究を推進する。
|
Research Products
(8 results)