2012 Fiscal Year Annual Research Report
コンドロイチン硫酸修飾酵素群による大脳皮質形成の制御機構
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22570149
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Research Institution | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
Principal Investigator |
前田 信明 公益財団法人東京都医学総合研究所, 脳発達・神経再生研究分野, プロジェクトリーダー (90202308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神村 圭亮 公益財団法人東京都医学総合研究所, 脳発達・神経再生研究分野, 主席研究員 (30529524)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | コンドロイチン硫酸 / 硫酸転移酵素 / 大脳皮質 / 神経細胞移動 / 神経極性化 |
Research Abstract |
コンドロイチン硫酸(CS)プロテオグリカンは、CS鎖を介して、成長因子、細胞外マトリクス分子等、様々な蛋白質と結合することが知られている。これらの蛋白質の多くは、CS鎖中の硫酸密度の高い領域(CS多硫酸化構造)を認識して結合し、機能発現する。これまで我々は、CS多硫酸化構造の生成に寄与するuronyl 2-sulfotransferase (UST)とGalNAc4S 6-sulfotransferase (GalNAc4S 6ST)を子宮内胎仔電気穿孔法を用いてノックダウンすると、大脳皮質神経細胞の放射状移動が阻害されることを明らかにしている。今回、本現象のメカニズムを探索するため、海馬解離培養ニューロンを用いて解析を行った。 海馬ニューロンにUSTあるいはGalNAc4S 6STのshRNA発現プラスミドを導入し、これらの硫酸転移酵素をノックダウンすると、神経極性化が阻害され、本来一本であるべき軸索が複数伸長するのが観察された。同様の現象は、海馬ニューロンをコンドロイチナーゼABC存在下で培養し、CSを分解除去した場合にも観察された。次に、CS多硫酸化構造の局在を観察するため、本構造を認識するモノクローナル抗体を用いて培養海馬ニューロンを免疫染色した。その結果、本構造は神経極性化の最初期段階において、軸索に選択的に発現することが明らかになった。ここで、CS多硫酸化構造は接着斑に局在しているが、コンドロイチナーゼABC処理により、CS多硫酸化構造のみならず接着斑も消失することが明らかになった。これらのことは、CS多硫酸化構造は軸索部分の細胞接着を亢進することによって、軸索決定に寄与していることを示唆している。大脳皮質神経細胞は、軸索決定を伴う極性変化の後、放射状移動を開始する。CS多硫酸化構造は、軸索決定に寄与することによって放射状移動を制御しているものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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