2011 Fiscal Year Annual Research Report
NDRG1とNDRG4の分子機能および生理機能の解析
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22570151
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
小亀 浩市 独立行政法人国立循環器病研究センター, 分子病態部, 室長 (40270730)
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Keywords | NDRG1 / NDRG4 / 脳機能 / 神経細胞 / 虚血 |
Research Abstract |
我々は以前、細胞性ストレスで発現誘導される遺伝子としてNDRG1を同定し、その欠損マウスの解析から、NDRG1が末梢神経ミエリン鞘の維持に必須であることを明らかにした。さらに、NDRG4欠損マウスでは大脳の虚血耐陸能および空間学習能が低下していることを見出した。同じ遺伝子ファミリーに属しながらも、欠損マウスの表現型が異なることから、NDRG1とMDRG4はそれぞれ特有の役割を担っていると考えられる。そこで本研究では、NDRG4欠損マウスを中心に、NDRG1欠損マウスやNDRG1/NDRG4ダブル欠損マウスも利用して、NDRGファミリーの機能解明を目指している。前年度、MDRG4欠損マウスでは野生型マウスに比べて空間学習記憶能が低下すること、脳虚血再還流障害に対して脆弱になることを示し、さらにNDRG4が大脳皮質のBrain-derived neurotrophic factor量を正常に維持することで神経細胞保護作用を示す可能性を見出した。本年度、これらのデータを再検証し、J.Biol.Chem.に誌面発表した。一方、NDRG4の分子機能を解明する手がかりを得るため、NDRG4結合タンパク質の同定に着手した。ヒト脳cDNAライブラリーを用いた酵母2-ハイブリッド・スクリーニング法を行った結果、複数種の陽性クローンが得られた。これをタンパク質レベルで検証するために、生化学的・免疫化学的解析を行った結果、いずれもNDRG4と直接結合する分子でない可能性が強く示唆された。NDRG1およびNDRG4の分子機能を知る上で、相互作用タンパク質の同定はきわめて重要であるため、この計画は次年度に継続して行う
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度から継続して行っていたNDRG4欠損マウスの解析をまとめることができ、学会および論文で公表することができた。NDRG4結合タンパク質の同定では、候補分子を得ることはできたが、タンパク質レベルで検証できなかったため、次年度にも継続的に進める。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題において、NDRG1およびNDRG4結合タンパク質を特定し、それらの構造的・機能的特徴や、シグナル伝達経路における位置付け等を知ることは、きわめて重要である。次年度は、さらに種々の手法を駆使して、目的達成を目指したい。
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Research Products
(24 results)