2012 Fiscal Year Annual Research Report
繊毛の根元に局在する新規ダイニンの構造と機能の解析
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22570157
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
八木 俊樹 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40292833)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ダイニン / 鞭毛・繊毛 / ATP |
Research Abstract |
鞭毛・繊毛運動の基礎はダイニンによる微小管の滑り運動である。鞭毛には多種類のダイニンが存在し、それぞれは鞭毛運動において固有の機能をもつと考えられている。我々はこれまでに鞭毛根元に局在する存在量の少ないマイナーダイニンを3種類見出し、それらが初期屈曲形成に関与するダイニンである可能性を示した。本研究では、このマイナーダイニンの鞭毛・繊毛運動における役割を明らかにするために、それらを単離精製してその構造と機能を他のメジャータイプのダイニンと比較する実験を行った。まず、それぞれのダイニンに特異的な抗体を作成し、それを用いて各ダイニンの精製を試みたが、活性が高いダイニンの精製は困難であった。一方、これらのダイニンと微小管との結合力を比較する実験から、3種類のうちの1つは他のダイニンに比べて微小管に強く結合する性質を持つことが明らかとなった。そこで、微小管への結合力の差に基づいてこのダイニンを精製することを試み、現在その方法を確立しつつある。今後は、この精製ダイニンを用いた構造と機能の解析を行う予定である。一方、クライオトモグラフィー法を用いて、軸糸内の各種ダイニンの構造を比較する研究も行った(Bui et al, 2012; スイス連邦工科大学の石川尚博士らとの共同研究)。その結果、鞭毛根元には確かにメジャーダイニンとは異なるダイニンが存在することがわかった。現在の分解能ではメジャーダイニンとマイナーダイニンの間に明確な構造の違いは見つかっていないが、興味深いことに、このマイナーダイニンとは別に、鞭毛内により巨大なダイニンが見つかった。それは、9本の軸糸微小管のうち特定の微小管にだけ存在し、鞭毛の非対称な繊毛型波形の形成に関与することが考えられた。今後は、この巨大なダイニンの実態も明らかにしていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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