2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22570159
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
伊関 峰生 総合研究大学院大学, 学融合推進センター, 特別研究員 (60414009)
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Keywords | 光受容体 / フラビン / ミドリムシ / アデニル酸シクラーゼ |
Research Abstract |
本研究は、光で活性化されてcAMPを産生するユニークな光センサータンパク質、光活性化アデニル酸シクラーゼ(PAC)の活性化メカニズムを明らかにするとともに、その細胞工学的応用を発展させるべく企画したものである。今年度は、PACの祖先型と考えられる、硫黄細菌Beggiatoaが持つ類似タンパク質(BsPAC)を用いて大量発現・精製を行うとともに、大腸菌における機能発現を試みた。 (1)大腸菌におけるBsPACの大量発現・精製人工合成したBsPACの遺伝子を大腸菌の発現ベクターに組み込み、大量発現を試みた。pETベクターに組み込んで37℃で発現させた場合、殆どのBsPACタンパク質は不溶性の封入体として回収された。封入体標品を調整し、グアニジン塩酸塩で可溶化させた後、FAD存在下で希釈法により巻き戻しを行うと、FADを結合した可溶性のタンパク質が得られた。この試料は光照射によりBLUFドメインタンパク質に特徴的な吸収スペクトルのレッドシフトを示したが、残念ながらアデニル酸シクラーゼ活性は検出されなかった。一方、pColdベクターに組み込んで15℃で発現させた場合は、BsPACは可溶性タンパク質として回収され、FADの結合量は少ないものの、光で亢進されるアデニル酸シクラーゼ活性を示した。 (2)大腸菌におけるBsPACの機能発現前項で作成したBsPACの発現ベクター(pColdBsPAC4)をアデニル酸シクラーゼ欠損変異株(E.coli MK1010)に導入し、MacConkey agar平板に接種したところ、培養時間24時間において、光照射した場合にのみcAMP産生を示す赤いコロニーが形成された。すなわち、BsPACは大腸菌細胞内においてもその活性を発揮できることが示された。
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Research Products
(6 results)